低換水システムにチャレンジ!
最近のタンクです。特に茶ゴケが目立たないのは、シュポシュポで吹き飛ばした直後だからで、普段は本当にひどいです。飛ばしても飛ばしても復活します。
ついにヤケになって対策を施しました。
GFO(Granular Ferric Oxide: 粒状の酸化鉄):3g
GAC(Granular Activated Carbon:粒状の活性炭):30g
GFO(鉄系のリン酸吸着剤)、バッグに入れてサンプの落水箇所に入れました。量はタンクのリン酸塩の量に応じますが、うちの場合は3gも入れると1~2日でリン酸塩がゼロになります。苔が必要とするリン酸塩を枯渇させようという考えですが、、、実は今のところ入れてから4日ほどですが、残念ながら目立った効果は出ていません。。。リン酸塩は検出されません。本当は硝酸塩もリン酸塩もある程度残して、色の濃いミドリイシを目指す予定だったのですが、あまりに茶ゴケがなくならないので方針変更です。
GFOは、以下の記事にあるように、色々な要素を下げてしまうので、ある程度の調整が必要です。
https://www.advancedaquarist.com/2012/2/chemistry
うちでもアルカリやマグネシウムが若干下がったので、添加量で調整しました。意外にも鉄分は一時的には上がるものの、投入前と同程度に収まるようですね。。。
GAC(活性炭)は、DOC(Dissolved Organic Carbon: 溶存有機炭素)の吸着に効果があるという研究結果を見て、入れることにしました。実験のグラフでは、確かに活性炭を入れた時間だけ溶存有機炭素が減り、活性炭を取ると増えていました。が、、、正直、DOCって何?って聞かれるとよく分かっていません。栄養素でもあり汚れでもあり、メリットでもデメリットでもある、という中途半端な理解しかできていません。とにかく今回は、もしかしたら効果があるかもしれないと思われるものを実験的に試しています。しかし、約一週間経過していますが、こちらも特に茶ゴケに効果があるかどうかは確認できていません。
もしかしたら、茶ゴケというのは、そんなに大きな問題ではないのかも知れません。茶ゴケが発生すべき栄養素がそこにあるから発生するんであって、自然のバイオフィルターの一環と考えれば、特に害はないと言えるかも知れないです。海外ではNew Tank Syndrome(立ち上げ症候群?)と呼ばれ、新規立ち上げやリセットに伴う、バクテリアのサイクルが立ち上がっていない状態で出るのが普通で、時間とともになくなる、とされています。ただ、うちの場合は、リセット直後にチェルモン餌付けのためにドカドカ餌を投下しちゃったので、茶ゴケの繁殖がすごいことになっています。
今は人力で吹き飛ばし、落水箇所のソックスで回収、というのを繰り返していますが、効果は全く見えません。飛ばしても飛ばしても急速に復活します。GFOとGACで枯渇してくれると良いのですが。。。
今のところは、硝酸塩もリン酸塩も試薬上はゼロというULNS(Ultra Low Nutrient System:超低栄養塩タンク)になっちゃってるのですが、茶ゴケの量を見ると、、、どこが超低栄養塩?と思っちゃう感じです。少なくとも、茶ゴケがウハウハで爆殖できるほどの十分な栄養があるに違いありません。バクテリアのバランスが偏らないよう、念のため異なるバクテリアをたまに添加していますが、これも、実際水槽のバクテリアバランスが見えるわけじゃないので、効果のほどは何とも、、、
超低栄養塩と言っても、換水をガンガンやってるとかではないんですね。換水は、1日1%(約300Lのタンクなので、1日3L、月次90L/315L=月次30%以下)をドーシングポンプを使って自動換水しています。栄養塩は、ウォッカドーシングや鉄系リン酸吸着剤で無理やり栄養塩をねじ伏せている感じです。
換水量が少ないので、換水の負担感はゼロですが、塩分濃度が非常に速いペースで上がっていくので、ドーシングポンプでRO/DI水の添加を始めました。
それと、塩を替えてみました。これまではヴィーソルトでしたが、新たにトロピックマリンのプロリーフシーソルトにしてみました。
この塩がまたバカ高いんですよ!!!あんじゃこりゃ???ってくらい。。。1割2割増しの世界ではなく、自分が使っていたヴィーソルトの最安レベルとの比較で言うと、7割増しなんですよ。おぞましく高いですよね。これをバンバン換水しましょうとなったら、ボロボロ泣けてくるレベルです。
ではなぜトライしてみるのかというと、この塩、世界中の上級アクアリストからの評価がすごく高いんですね。もちろんコストが高いので、シェアが大きいとかではないんですが、えげつないタンクを維持している上級者が好んで利用しているというイメージです。じゃあ中身はどれくらい違うのかというと、普通の人工海水って、自然の海に存在する要素のうちの30~40種類くらいしかブレンドされていないそうなんです。ところがトロピックマリンのプロリーフは、70と、ほぼ全要素が入ってるらしいんですね。
世界中の色んなアクアリストが色んな塩でミドリイシを飼育していて、それこそ、インスタントオーシャンですよ、とか、何らかの添加で要素を補わない限り、ちょっと厳しいんじゃないの?という塩から、王道のレッドシーまで様々なので、70の元素が入っていないとダメですよってことでは全然ないんですね。ただ、ミックスされてる微量元素ってそんなに違うの?っていうのは衝撃ですよね。逆に言うと、そんなマニアックな、必要かどうかも分からない元素のために7割も高い塩を使うのか?っていうのもあるんですが、どうもそそられるわけです。。。ヴィーもトリトンテストで非常にバランスが良くて、消費の早い要素だけ添加すれば十分に行けることは分かっているんですが、含まれている微量元素の種類の豊富さとバランスで言うと、プロリーフはとんでもない塩みたいなんですよね。何しろ、あのトリトンがプロリーフを推奨しているくらいですから。
もう正直にぶっちゃけてしまいましょう!実は!換水量を減らしたのも、トロピックマリンのプロリーフで上がったコストを相殺するためだったのです!!!!ビンボーくさ~!!!
しか~し!!!それなりの裏を取ってます。
海外のフォーラムを読んでいると、本当に正解なんてないんだと思えるくらい、色~んな方法で飼育している人達がいます。特に欧州では水の硬度が高いということで、極力換水量を少なくし、その代わり良質の塩で維持する、という流れがあるらしいのですが、本当に無換水で何年も飼育している人もいるし、1日1%程度もざらにいますし、トリトンのような無換水システムもあります。カルシウムやマグネシウムをリアクターではなく、ドーシングポンプで補うというボーリングメソッドも、ドイツのDr. Hans Werner Balling: トロピックマリンのハンス・ワーナー・ボーリング博士)によって開発されました。換水以外の方法、あるいは、非常に少ない換水でありながら、トレースエレメントなどの追加と濾過の強化によってタンクを維持する方法は、ある程度確率されていると言っても良いくらいです。もちろん、多数派ではないですし、どちらかと言えば反対派も多くいます。
で、考えたのが次の方法です。
- 最高級のプロリーフを微量換水してコストを削減
- 消費の大きなアルカリ、マグネシウム、カルシウムはドーシングで添加
- 微量なトレースエレメントの減少は、同じくトロピックマリンの添加剤で補充
- 栄養塩はスキマー、ウォッカドーシング(炭素源添加)、リン酸塩吸着剤、活性炭で処理
ここまで行くと、当時自分が挫折したトリトンに非常に似ています。トリトン挫折の理由は、「錫の混入経路を特定できず、必要なものを添加できても、有害なものを除去するのが難しい(プラスよりもマイナスははるかに困難)」というものでした。結局、錫は、換水によって不純物の排出が混入を上回ったのか、RO浄水器のDI強化によって排除できたのか、ヒーターをチタニウムヒーターに変えたからなのか、そのどれかによって解決されたのですが、不純物の混入がなくなった今ならば、無換水や低換水システムも行けるかも知れない!というのが今回のコンセプトです。。。。。ププゥっ!!!コンセプトっていうとちょっとカッコ良いですが、ただのビンボーなんですよ!!!ホントはねっ!!!そしてさらに、超がつくほどの横着者!!!!だって金がかからなくて手間がかからないのって、サイコー❕ウヒョヒョヒョヒョ❕
はっ、、、と我に返ってしまう自分。。。恥ずかしい。。。
くれぐれも自己責任でやっていることなので、皆様はシステムの変更には十分にご注意くださいね。
トレースエレメントの枯渇対策は、トロピックマリンのプロコーラルミネラルを使う予定です。これ、プロリーフの濃縮版のようなもので、プロリーフと同じ70の元素を粉末で補える添加剤なのです。特に消耗が早いと言われるヨウ素とストロンチウムを補完できるようになっているみたいです。
さて、チェルモンですが、いつの間にか1か月近くが経過しました。前回疑われたアンモニア焼けらしき症状ですが、完璧に治っています。
ヒレの黒い点は消滅しましたし、実はブログには書いていませんでしたが、白点も出たんですが、それも消滅しました。チェルモンの餌付けチャレンジにあたって、あちこちのブログから諸先輩方の経験談を読破しましたが、どうも、餌付けの難しさに反して、チェルモンは病気には強いようなんですね。類似種のマージンドコーラルフィッシュを長く飼育しているときにも、同じことを感じていました。水質さえ良ければ、おそらくこの子達は病気には強いタイプだと思います。この子達はこれまでに、白点、黒点、ヒレの切れ、くちばしの怪我などを経験しましたが、何のトリートメントもなく治りました(水質が悪いと、こうは行かないので注意してください)。
チェルモンは、以下の餌を食べるようになりました。
活きイトメ
冷凍イトメ
冷凍ブライン
冷凍ホワイトシュリンプ
活きアサリ
冷凍アサリ
アサリの殻に塗った人工餌(人工餌100%)
人工餌は殻に塗れば食べるのに、浮遊させても食べず、ペッと吐き出します。たまに間違って食べちゃうことがあるくらいでしょうか。。。なかなか根気が必要です。
そんなわけで、餌付けは道半ばですが、殻に塗った人工餌だけだと肉付きが良くならないので、冷凍餌もあげ続けています。冷凍餌をあげたほうが、肉付きも色艶も良いのでバンバンあげちゃいたいくらいなのですが、まだ濾過サイクルが立ち上がっていないジレンマがあり、ちょっとセーブしながらあげています。
チェルモンの餌付けによる水質汚染を強力に防いでくれたウォッカドーシングですが、今日からはちょっとやり方を変えました。
現在、茶ゴケ撲滅キャンペーンとして、ウォッカを毎日3滴(うちのタンクの場合、これだけで硝酸塩もリン酸塩もセロにできます。GFOはトドメの一撃です)入れてますが、これを自動化しました。
1滴は0.04mlほどと言われていて、うちのドーシングポンプでは1ml単位でしか添加できないので、ポンプを使えません。そこで、ウォッカをRO/DI水で希釈しました。
0.04ml x 25倍 = 1ml
ということは、0.04mlのウォッカに対して、0.96mlの水で、1mlの希釈ウォッカが作れます。これで1mlをドーシング添加すれば、0.04ml(一滴)のウォッカを入れたことになります。
同じ比率(1:24=25)で、計500ml作ります。0.04ml x 500倍 = 20ml、0.96ml x 500倍 = 480mlという感じです。これをボトルに入れて、ドーシングポンプで毎日3ml入れれば、1日3滴入れたのと同じことになります。楽だし、入れ忘れや入れ間違いがないので安心です。
ピカソクラウンですが、やはりこの子はイソギンがいないと寂しそうなので、代わりにハナサンゴを入れてあげました。
本当はハタゴを入れるのが最高ですが、年に1~2回歩かれて水流ポンプに吸い込まれて撃沈というパターンを防ぐために、ハナサンゴで我慢してもらいました。案の定、1週間ほどもすると気にし始め、2週間もすると、あきらめてモフモフするようになりました。
ちょっと気付いたのですが、クマノミってモフモフしだすと、肌質が一気に良くなる気がします。うちの子だけなのか、すごく不思議なのですが、この子は久しぶりにモフモフをし始めた直後から、肌の色艶や輝きがとても良くなりました。本来イソギンの毒性への抵抗力があるクマノミですが、何か肌の分泌物への影響があるのか、モフモフと健康に関連がある気がする。。。
というわけで、とりとめもなく色々書きました。こんなブログでもたまに覗いてくれている人がいるというのは嬉しいものですね。更新がたまに滞るのは、主にタンクに変化がないときか、うまく行かなくてテンションが下がっているときですね。ブログをつけると、いつ頃、何をどのように変えたのかの記録になるので、読んでる人がいるかいないか分からない状況でも書き続けています。ブログとは別に試薬でのテスト結果と添加量は別のファイルに記録してるんですが、なんというか、、、ブログは良い思い出にもなるんですよね。それと、いつかどこかで誰かの参考になれば良いなと思ったり。。。
今回の換水システム変更もそうなんですが、何か新しいことにチャレンジするとテンション上がりますよね。その変化を見るのも楽しいし。これまでスキマーレスにチャレンジしたり(失敗でした)、いろんなことをやってますが、今回のチャレンジは、うまく行って欲しいなぁ~と思ってます。がんばろーっと。
アンモニア焼け?
現在の水槽の様子です。
この写真はせっせとお掃除をした後のもので、普段はもっと汚いです。
新入りのチェルモンを餌付かせるために大量給餌をした結果、ライブロックと底砂は茶ゴケで覆われるようになりました。もっともリセット直後ということもあり、無理やりウォッカ添加で栄養塩を抑えていますが、この水槽はまだまだ完全に立ち上がっていないのです。
で、砂をサイフォンしたり、ライブロックをシュポシュポして茶ゴケを飛ばし、その作業の間だけサンプの落水管にソックスを履かせて茶ゴケを回収しています。うちのライブロックは大半が天日干ししたドライロックなので、あまり水槽の立ち上げを助けていないんですね。。。ライブじゃないロックですね。。。
底砂は、病原菌を浮遊させないように、いじらない説が定説となっていると思いますが、うちはやむなくいじってます。というのは、餌付けのための大量給餌によって、食べかすが大量に蓄積されるようになってきたからです。そして魚への弊害も出ました。
既存の魚たちは元気いっぱいなのですが、新入りのチェルモンのヒレ(両側)に黒い点のようなものが出始めました。食べるようになって抵抗力がつけばそのうち消えるでしょう、と安易に考えていたのですが、日々、微妙に大きくなっています。
この症状を必死に調べたのですが、困ったことに全然情報が出て来ません!そしてようやくたどり着いたのが、海外の記事にあった「アンモニア・バーン(Anmonia Burns:アンモニア焼け?)」というものです。
https://www.thesprucepets.com/treat-fish-for-ammonia-burns-2925396
このアンモニア焼けについて、いくつかの記事に書かれていることを要約すると、次のような状況のようです。
「アンモニアのレベルが高いと皮膚に炎症を起こし、その治癒の過程で黒い点として残るが、アンモニアのレベルが高いまま持続すると症状が悪化する。典型的には、濾過サイクルができていない水槽の立ち上げ時、新魚導入時のストレス、大量給餌、大量飼育などによって引き起こされる。換水等によってアンモニアを下げることが必要」
立ち上げ(リセット)、新魚導入、大量給餌、、、、ことごとく当てはまってます。。。
アンモニアを測定すると、試薬上はゼロですが、1日5~6回、しかも大量に生き餌、生エサ、冷凍餌、人工餌などなどをこれでもかと投下してきたのですから、試薬上はゼロでも自然界の海に比べると高いレベルのまま推移したことが疑われます。試薬ではゼロの次が0.25ですが、たとえば、0.05とか、0.15とか、そんなレベルであったのでしょう。
ということで、大量給餌は即刻停止します。幸いにして新入りのチェルモンちゃんは現段階で次の餌に餌付きました。
イトメ(活き、冷凍)
アサリ(活き、冷凍、ミンチ)
冷凍ブライン
冷凍ホワイトシュリンプ
冷凍餌と乾燥餌のミックスハンバーグをアサリの殻に塗りつけて冷凍したもの(乾燥餌の比率がかなり高いものも食べるようになりました)
もう餓死の心配はないので、このあたりで通常給餌モードに戻します。立ち上げ直後、新入りストレス、大量給餌、、、、今思えばかなりリスキーなことをしていたように思います。。。。ウォッカ・ドーシングで無理やり硝酸塩とリン酸塩を抑え込んでいましたが、うっかりアンモニアを見落としていました。硝酸塩とリン酸塩は確かに低かったですが、毒性から言ったらアンモニアは比べ物にならないくらい危険性が高いので、餌の食べかすが底砂の上にドカドカ残っているというのは、かな~りよろしくない状況であったのは間違いないです。
そんな中でも、ミドリイシは未だかつてなく好調です(あくまで自分レベルの中でなので、上級者の方から見たら笑っちゃうレベルの話です)。
今のミドリイシのコンディションで一番気に入っているのが、共肉の肌質です。夕方の弱めの照明で撮影した写真なので、ちょっと分かりにくいですが、コンディションが悪い時に比べて、共肉が厚く、質感が滑らかで、凸凹が鋭角ではなくスムーズな連続的な曲線になっています。しかも、茶色じゃないのに色が濃い。
こちらのミドリイシは、かつてSTNに見舞われたのをヨウ素ディップで復活させているので、底の方は肉がありませんが、今は健康です。もうちょっとポリプとか出てくれたら嬉しいですが、ぜいたくは言いません。
かつて、こんな風な状況(プリプリの健康体)を作りたくてアミノ酸だのうんちゃらバイタライザーだのを添加していましが、添加物がなくても環境が整えば、こんな風になるっぽいです。ポイントはいくつかあると思うのですが、たぶん、以下の要素が整えば良いのかな?というのが今の感触です。
- 不純物がない(かつては錫に悩まされました)
- 三大要素(Alk=dKH, Ca, Mg)がバランスよく、しかも必要量に達している
- ほどよく栄養塩がある(多過ぎず、少なすぎず)
現在は、おおよそ以下のパラメータで安定しています。
Ca: 450 - 490
Mg: 1260 - 1280
Alk: 8 - 8.3
NO3: 3 - 6
PO4: 0 - 0.03
不純物については、最近さらに手を施しました。これまで我が家のRO/DI浄水器は、DI(イオン交換樹脂)のカートリッジが2段でしたが、1個増やして3段にしました。目的は2つで、1つは段階を増やすことで不純物の取りこぼしがないようにすること、もう1つはカートリッジを定期的に1個ずつ交換することで、ある程度劣化したカートリッジにも粗い仕事をさせて、より樹脂を使い切るようにすることです。
前々から気になっていたのですが、TDSが0.01になってから交換しても、うちのミドリイシはコンディションを落とすんです。なのでTDSメーターが0から0.01になったら交換するのではなく、0のままで交換したいと思っていました。そのために、樹脂カートリッジを3段階備えて、古い方を入り口側に、中間を真ん中、新しいのを出口側にして、一定の日数(まずは2か月でトライ)でローテーションさせることにしました。これで、古いものはより使い切り、新しいもので完全に除去させる、かつ、TDSがゼロのまま(劣化サインが出ていない)なのに、交換ロスが低減する、というメリットがあるのでは?と考えたわけです。
くれぐれもお伝えしますが、TDSはゼロでないといけないということではありません!知人の熟練リーファーさんはTDSが0.03くらいでもぜんぜんミドリイシを維持できています。しかしこのTDSというのは不純物の度合いを示すのであって、その不純物がいったいどんな不純物で、どれくらいの悪性があるかを一切示さないのです。なので、混入物は錫であったり、アルミであったり、銅であったり、各地域、各家庭の配管などで大きく異なると考えられます。うちの場合は、その不純物がおそらくは錫で、それがミドリイシにとって非常に良くないのだと思います。なので熟練キーパーさんが0.03で問題なくても、うちは0.00でないといけないのだと考えるようになりました。
水道管の不純物については、ネットで情報を探すと、ドカドカ出て来ます。
鉛、銅、アルミ、亜鉛、錫、などなど、配管部品の劣化から水中に溶出する物質は枚挙にいとまがありません。ほとんどの場合、人体には影響ないレベルですが、長期間、錫問題に悩まされた自分としては、その種類と量によっては、確実にミドリイシには悪影響を及ぼし、徐々に徐々に弱らせる原因になっていると思っています。なので、TDSが0のまま樹脂を交換したいのです。かつ、多少の劣化ならまだまだ使える樹脂を捨てたくないので、3段階という手をとったわけです。まだ導入したばかりなので、これがうまく行くかは分かりませんが、とりあえず悪くなる理由はみつからないので、良しとしましょう。
ところで、ショッキングな事実を見つけました。別にそんなにショッキングでもないかな???
カーボンだけ、メンブレンだけ、イオン交換樹脂だけで濾過し、果たしてどれがアンモニアを除去できるか?を試した動画です。なんと、カーボンもメンブレンもアンモニアを完全には除去できないんですね!完全に除去できるのはイオン交換樹脂だけなんです。この樹脂がいかにパワフルかってことですよね。
ちょっとアンモニアの話題がかぶってますが、根本的にはぜんぜんかぶってなくて、うちのタンクのアンモニアはあくまで大量給餌によるもので、水道からではないんですね。ただ、RO/DIにおける樹脂の重要性っていうのが上の動画から分かりました!っていう話です。
かつてうちのROシステムには樹脂カートリッジをつけていなくて、それでも0.03~0.05くらいは維持できていたので、まあ大丈夫でしょう、くらいに考えていたのですが、SPSにとっては、あんまり大丈夫じゃなかったみたいです。
というわけで、ちょっと無理をしちゃったけど、色んなことが分かりましたってお話しでした♪
チェルモン、特訓中
先日入海のチェルモンに餌付けしております。
一番がっつくのはイトメ、次にアサリですが、とりあえずアサリの殻に塗ってあれば何でも突いてくる習性を利用して、アサリ、クリル、ペレット、フレークなんかを混ぜ合わせたミックス餌を突かせています。
殻は底に置いても良いんですが、そうすると大食漢のマージンドコーラルフィッシュが、オラオラとチェルモンをどかして食べるんですね。で、手からだと、なぜか、マージンドコーラルフィッシュがオラオラにならずに、うまくシェアさせてくれるのです。
このまま2~3か月かけて、徐々に乾燥餌のミックス比率を上げていき、行く行くはペレットやフレークに持っていきたいと思います。それができなくても、とりあえず、こんな感じで食べてくれているので、それはそれでかわいいし、オーケーです。この方法ならあまり無駄も出ないし、そろそろ給餌量を標準に戻して行こうかな。。。
このまま餌の大量投下を続けると、マージンドコーラルフィッシュがふくよやかになりすぎます。娘がピノと名付けたこの子は、もうムチムチになり過ぎて、ピノという名前が似合わなくなっていて、いっそ「社長」と改名しても良いくらいです。
さて、石灰藻が増えるようにカルシウム、マグネシウム、アルカリ度を調整して、他の苔を駆逐する作戦ですが、まずまず、うまく行っている気がします。前よりも変な苔が岩に出にくくなってきた気がします。肝心の石灰藻ですが、ところどころに小さく出始めました。パラメータを調整しただけなのに、反応が早いです。
栄養塩は、ウォッカが良い感じでバクテリアを増殖させてくれているようで、怒涛の給餌を続けながらも硝酸塩が3~7くらい、リン酸塩が0~0.03くらいで推移しています。現在、約300Lに対して、1日2滴か、水槽の汚れが目立つ日には3滴くらいポタポタしています。
カンギクガイも相変わらず地味にキラリと光る仕事をしてくれていて、歩いた痕がくっきり残る(なにも残らない)ほどの活躍ぶりです。ですが、先日、トゲアシガニがカンギクガイの殻をかっぽじって、身をおいしく召し上がっている姿を目撃してしまいました!早速捕獲してお仕置き部屋(サンプ)に転籍してもらいました。現在、この水槽には70匹程度のカンギクガイがいますが、こんなに良い仕事をする英雄たちをペロッと召し上がられては、たまりません。トゲアシガニもそれなりに仕事をしますが、するときとしないときのムラが大きく、仕事の質も量もカンギクガイには及びません。
このカンギクガイのうち、20匹はチャームから、50匹はヤフオクで沖縄から買いましたが、出品者はどうやら水産会社(漁業の会社?)のようなんですね。地域によっては、カンギクガイ、シッタカ、マガキガイなどを食べるようなので、おそらくは食用に収穫したものを販売しているのではないかと思います。たぶん食用で卸すよりペットとしてヤフオクに出した方が良い値段でさばけるのではないでしょうか。。。
しかし食ってみたいな~。結構うまいんじゃないかな~。さすがに今水槽に入っている職人をペロッと召し上がっては、進撃の巨人ちっくでどうもいやらしいので、手は出せないのですが、本音を言えば、思わず召し上がっちゃったトゲアシガニの気持ちも分からないでもない。。。。いつかどこかの漁港なんかで見かけたら食べたい。。。。
基本、貝っておいしいんですよね。あの独特のムチっとした弾力と、うまみ成分がギュッと詰まったテイスト。バター醤油なんかで食ったら最高なんだろうな~♪
って、なんの話をしてるんでしょうか。。。
とにかくチェルモンちゃんもうまく徐々に肉付き良くなりつつあるし、良かった良かった。。。
カモンっ!チェルモン!
最近、ライブロックの苔が異様に繁殖し、苔と言っても、生えているというより、ふわっとのっているような苔で、歯ブラシで軽くブラッシングするだけでするっと落ちるのですが、すぐに復活してしまうのです。その見た目の汚いことと言ったらもう。。。
重い腰を上げてリセットしましたが、サンプを掃除してびっくり!底にヘドロ状のものが溜まって、硫黄臭がしました。サンプの底に何か汚泥のようなものが溜まっているのは分かっていたのですが、すっかり無害化されているものと思い込んでいました。というか、むしろこれが脱窒みたいな感じで浄化の役に立ってるんじゃないかな?くらいの甘い考えで。。。これからは月一くらいでサンプ掃除をしようと反省しました。
リセット後に生麦海水魚センターに行ってみると、チェルモン(ハシナガチョウチョウウオ)に目がとまりました。軽~い気持ちで「この子、ちょっと餌やってもらっても良いですか?」とお願いしてみると、なんとクリルを猛烈に追います。呑み込んだのは確認できませんでしたが、明らかにクリルを突いています。
チェルモンは、以下の画像からも分かるように、各国の切手にも採用されるほどの、まさにこれぞ海水魚!という、美しく、愛らしいお魚なわけです。
海外では、コッパーバンド・バタフライ(Copperband butterfly)として知られていますが、縦に入る銅色のバンドと白銀の体表がとても綺麗です。その形と色の綺麗さから、飼ってみたい!だけど餌付け難易度特級レベルで手出しができない、という人も多いのではないでしょうか?
自分もその一人で、何度ショップに足を運んでも、餌を食わないばかりか、無反応な子ばかりにしか出会えず、購入を躊躇していました。自分の感覚では、アサリやブラインに無反応なのは、相当な重症だと思うのですが、たびたびショップで餌を巻いてもらっても、冷ブラやアサリにすら無反応であることも少なくありません。値段も比較的廉価ですが、たかがチェルモン、されどチェルモンという、なかなかレベルの高いお魚さんなんじゃないかと思うんですね。。。
チェルモンの親戚のマージンドコーラルフィッシュは以前から飼育して、おっとりした性格やキレイさで気に入っていたのですが、全身ストライプの華やかなチェルモンは、また違ったキレイさで、いつかは飼ってみたい魚のトップリストに入っていました。こんなにキレイでミドリイシを突かないなんて最高です。
というわけで、クリルを追うチェルモンを思わずガン見。シマヤッコを選定するときもそうでしたが、見込みが薄い子はボーっとしていて生気がないのです。ハシナガチョウは詳しくないですが、今まで見た子たちも、やはり、ほとんど全部といって良いほど餌に無反応、無関心な子たちだっただけに、これは驚きでした。聞けば入店2週間とのこと。いつから追うようになったかは分かりませんが、この子が2週間誰からも買われなかったのは超ラッキーと言うほかありません。
というわけで、衝撃的にお持ち帰りとなりました。やはり、マージンドコーラルフィッシュ同様、ミドリイシには一切タッチしません。
(↑猛烈に給餌しているせいで、砂も岩もひどいことになってます。ただ、カンギクガイが歩いた岩は、ごっそり白くなってます)
さっそくアサリを与えてみると、力は弱いものの、ちゃんと突きます。が、チョビチョビやっている間にマージンドコーラルフィッシュが来てガブっと持って行ってしまいます。翌日、クリルをやってみると、やはり生麦さんの水槽で見たときと同じようによく追うし、食べました。ですが、口が小さいこともあり、食べた量は十分とは言えない感じでした。
さて、自宅にて餌付けを試し、一週間が経過しました。今のところはこんな感じです。
活きイトメ ◎◎◎
活きアサリ ◎
冷凍アサリ ◎
冷凍アサリミンチを殻に塗ったもの ◎◎
クリル◎
冷凍アサリ+人工餌のハンバーグを殻に塗ったもの 〇
上記の人工餌の比率を多くしたもの △
人工餌のハンバーグを殻に塗ったもの X
冷凍アサリ餌+人工餌のハンバーグ(殻なし) 〇
上記の人工餌の比率を多くしたもの X
というわけで、イトメへの食いつき方はパンパなく、これがあれば、とりあえず餓死はない、といった印象です。活きアサリ、冷凍アサリは、何しろ口が小さいので、細かくミンチにしてあげて殻に塗った方が食べやすそうです。
嬉しいのは、最初はあまり関心がなかった人工餌の比率をやや多めにしたハンバーグを、しっかりと食べはしないものの、いたずら的に突くようにはなってきていることです。ペッと出してしまうことも多いのですが、最初はそれで十分です。そうやって口にさえ入れてくれたら、徐々に人工餌の味や食感に慣れて行ってくれるので。ハシナガチョウは初めてですが、シマヤッコの経験から言って、とにかく口に何かを入れてくれる子は最高です。いずれは食べるようになってくれる確率は大だと思います。
ただし痩せているので、それだけが心配です。食欲旺盛なのは救いですが、餌付けが長引いて力尽きてしまうことがないよう、何でも良いので食べるものはガンガン食べさせておかないと厳しいのかな?と思います。餌付け特有の、意図的に腹を空かさせて人工餌を食べさせる戦略を使うと、ガリ痩せして死んでしまうんじゃないかと心配になります。
そんなわけで、パンパない量の餌を高頻度で投入していますが、リセット直後の水槽には決して良いことではありません。なので、ウォッカ・ドーシングによって栄養塩を無理やり抑え込んでいます。
海外ではウォッカ・ドーシングとビネガー・ドーシングは有名で、聞くところによると、NO3PO4Xと同じ原理で、炭素源を投入することでバクテリアを増殖し、栄養塩を下げる方法です。
ウォッカ・ドーシングの方法ですが、まず、市販のウォッカを酒屋さんで買ってきます。小瓶で500円くらいで買えます。最初の3日間は約100Lに対して0.1mlの添加、4~7日は0.2ml、以降、硝酸塩を測りながら栄養塩が希望の数値になるまで、毎週徐々に添加量を増やす、というのが一般的なようです。うちの水量(約300L)だと、まずは0.3mlくらいからの添加になります。まずは、1日1滴をサンプの水流の強い落水位置にポタっとします。ちなみに1滴は0.4mlほどらしいので、規定量の0.3mlよりはちょっと多いですが、問題ない範囲かと思います。
この効果がすさまじくて、うちの水槽は、大量給餌開始前は硝酸塩5、リン酸塩0.03程度でしたが、ウォッカ・ドーシングのおかげで、通常の給餌量の5倍以上くらい給餌しているにもかかわらず、現在、硝酸塩2、リン酸塩0で落ち着いています。現在の添加量は総水量約300Lに対して、朝1滴、夜1滴の合計2滴だけです。1滴というのはドーシングポンプで送るには無理なので、スポイトで朝晩、サンプの落水位置にポチャっと落としています。ウォッカよりもビネガー(酢)の方が効果は弱いらしいので、ドーシングポンプを使いたい人はビネガーの方が向いているかも知れません。
以前に餌付けの大量給餌によって白点大爆発を経験したことがある自分は、換水量を普段の倍にしながらウォッカ・ドーシングをするなどの対策をしたのですが、ウォッカ・ドーシングがかなり効くので、現在では換水を通常量に戻していますが、それでも栄養塩は低いままです。硝酸塩は5くらい、リン酸塩は0.1以下なら良いかな?くらいに思っているので、まだ余裕があります。
このウォッカドーシングは成功者が多数いますが、失敗談もなくはありません。注意点としては、バクテリアの増殖に伴う酸欠を防ぐためにスキマーが必須であること。それと、失敗している人に共通しているのは、開始時の栄養塩が高すぎることです。これらの人達からは、魚の大量死または連続死が報告されています。おそらくは、高栄養塩下でバクテリアが短期に異常繁殖し、酸欠をもたらしたのではないだろうか?と推測されます。
同時に、苔対策としてカンギクガイを50個以上投入しました。一度ライブロックが苔だらけになると対策が困難になるので、予防策を張ります。ブレニー、ハギなどを有力候補として考えたのですが、過去に成功事例のあるカンギクガイをチョイスしました。ハギは縄張り意識が強く、入海間もない小さなチェルモンには脅威になりそうなのと、ブレニー系もある程度の仕事はしますが、自分の経験では、そこまでパワフルな印象はありません。カンギクガイは他者に脅威となることがないというところが大きく、その割に仕事は非常にパワフルで、石灰藻ごとゴリゴリ削って行くほどで、歩いた痕が分かるくらい力強い仕事をします。硬い苔もごっそりむしり取って行くので、苔取り職人としての能力は一級品です。
苔対策はもう一つ手を打ちます。石灰藻によって、他の苔を駆逐する方法を試します。
苔対策として一般に言われるのは、栄養塩を下げる、ということですが、下げ過ぎるのも問題で、緑ゴケが繁殖しない代わりに、生物相の偏りによってダイノスが発生することがあると言われています。なので、カツカツの低栄養塩にするよりかは、多少競合できる苔が発生できる水槽の方が安全なのかな?と考えています。
で、色々調べた結果、石灰藻を繁殖させると、その他諸々の見た目の悪い苔に対抗できそうなことが分かってきました。石灰藻が好むのは、ミドリイシなどの骨格のあるサンゴの生育に適した水質と言われるので、KH、Ca、Mgあたりをミドリイシに最適とされるパラメータまで上げ、栄養塩を適度に下げれば繁殖スイッチが入りそうです。
現在、うちの水槽はミドリイシの個数が少ないので、しっかり換水していればカルシウムを添加しなくても生存は可能と割り切っていて、特にドーシングなどはしていませんでしたが、パラメータを測ってみると、KH8.3(これはちょうど良いかな?)、Ca 400、Mg 1200と、カルシウムとマグネシウムがちょっと低めなことが分かりました。
というわけで、マグネシウムとカルシウムを、ドーシングポンプで添加し始めました。うちはカルシウムリアクターではなく、ドーシングポンプを使ったボーリング・メソッドなので、個別の添加コントロールが可能です。既にまあまあな数値にあるKHは手を付けません。
というわけでドーシングを開始したのですが、朝晩各1mlずつ(カルシウム・マグネシウムとも)添加して1日経過した時点で、KH 10(8から上昇)、Ca 420(400から微増)、Mg 1200(変わらず)となっていました。あれ???KH添加していないのに上がってる。。。
自分はあまり詳しくはないのですが、マグネシウムにはバッファー効果(酸性に傾きにくくする効果)があると言われていて、通常はKHを上げるとCaが下がり、Caを上げるとKHが下がるのですが、マグネシウム添加のバッファー効果によって双方をバランスよく上げることができるらしいのです。KH(アルカリ度?炭酸塩硬度?)が上がったのは、マグネシウムによるバッファー効果が働いたためだろうか。。。
石灰藻とミドリイシが最も好む値がどのあたりだか分かりませんが、とりあえずは、カルシウムは450前後くらいを目安に調整して行きます。マグネシウムはとりあえず1350くらいを狙って行きますが、必要元素としてではなく、バッファー効果が発揮されれば良いので、こちらはあまり数値にはこだわらずにやっていきます。KHは現在使っているアラゴナイトの底砂に既にバッファー効果があるらしいので、そこにMgが添加され、さらにアルカリ度が上がったのかも知れません。こちらは下げる調整方法はなさそうなので放置します。7~15くらいまでは、たぶん問題ないんじゃないかな~?と思ってます。。。どうしても下げたい場合は、照明を強くすればKHが消費されるので、状況次第で、それも考えます。
さて、添加してたった一日で、うっそ~ん?と思う方もいるかも知れませんが、KH、Ca、Mgのバランスが若干ミドリイシに適したパラメータに近づいただけで、ミドリイシの肌の具合がとっても良いです。自分でも驚きですが、この一日で肌の表面がトゥルンとして、モッチリした感じになりました。色も濃くなってる気がします。それは魚への給餌量が多くて、栄養塩が適切になったからじゃないの?と思う人もいるかも知れませんが、違います。うちでは栄養塩がもっと高くて、硝酸塩が5~10、リン酸塩が0.1~0.3くらいあった時期がありましたが、その時期のミドリイシは決して調子良くはなく、特に共肉の厚み、艶などは、てんでダメダメだったのです。なので、栄養塩だけでは、こうはなりません。
よくミドリイシには光が重要と言われますが、光だけでミドリイシを健康にしようとするのは、とっても危険じゃないかと思います。今回の変化で思うのは、光よりもパラメータが重要で、パラメータが合うことで健康な状態になって初めて、光に耐えられる個体になって、そして輝くことができるのであって、パラメータが合っていないのに光を強くすると、強光阻害で焼けたり、決してパステルとは言えない、変な色の褪せ方をしたミドリイシになっちゃうのかな?と思います。ミドリイシの色が薄いのに決してパステルではない場合、艶がない場合、共肉がムチムチしていない場合は、必要元素のパラメータが合っていないか、栄養塩が低すぎることを疑ってみると良いかも知れません。私のようなペーペーが語っちゃうのもオイオイって言われちゃいそうですが、アミノ系添加剤とかに頼らなくても、必要元素のパラメータと適度な栄養塩で、ムッチリした健康なミドリイシになるのかも!と思ったりしています。
本当はビフォーアフターの写真があれば良いのですが、変化前の写真がありません。上級者から見たら別に、、、という色艶でしょうけど、自分にしてみたら、突然、色濃く、ムッチリと共肉が厚くなった感じで、すごく驚きました。
さて、図らずも、チェルモンの導入と苔対策によってミドリイシにも復調の兆しが見え始めました。ただ、色々な変化がやや急すぎる感じもあるので、注意しながら取り組みたいです。自分にとっての今回のチェルモンは超レア個体なので、何としてでも肉付きが良くなるくらいまで持っていきたいです。
ミドリイシバラバラ事件。再び。。。
結論から申し上げましょう。お気に入りのブルーのミドリイシ、分解しました。
ご覧の通り、中央左側と右奥に白化が見られます。それもジワジワ来るSlowなアレ(STN:slow tissue necrosis)ではなく、共肉がペロペロ剥けるRapidなアレ(RTN:rapid tissue necrosis)です。
分解直後の写真。
現在は分解から3~4日経過していますが、RTNの症状は見られていません。
最近のSTN、RTNによって、自分流の対処法が見つかりました。
STN
有効:ヨウ素ディップ
(自分の場合は、1Lあたりヨウ素添加剤10滴に15分浸ける)
無効:分解→フラグ化
RTN
有効:分解→フラグ化
無効:ヨウ素ディップ
今回のRTN発症のプロセス(推測)は以下のとおりです。
1.ロブストバタフライの餌付けに伴う給餌量、給餌頻度の増加
2.栄養塩対策のため、フトジュズモ大量投入(かなりの量)&サンプ24時間点灯
3.水流ポンプの苔が緑から茶色化するほどの急激な栄養塩減少
4.タンク内ミドリイシ中最も共肉が薄いブルーミドリイシが栄養塩不足により痩せてしまい、RTN発症
その後、フラグ化を実施した後、次の対策を試しました。
1.栄養塩増加のために3~4日間スキマー停止
2.猛毒のアンモニアが0.1になったことを確認し、これ以上のスキマー停止は危険と判断し、スキマー稼働
3.フトジュズモへの照明を暗くし、さらに夜間のみ点灯とした
推測の域を出ないのですが、現時点で、次の仮説が想定されました。
仮説1:全タンク容積中20%程度を占めるサンプスペースの第一区画(我が家の場合)にフトジュズモを投入し、24時間照明を当て続けると、共肉が薄いミドリイシは耐えられないほど栄養塩が低下する
「栄養塩」と書いていますが、具体的に何が足りないのかは特定できません。硝酸塩ゼロ、リン酸塩ゼロの超低栄養塩タンクでも維持できる人がいるので、本当に栄養塩の枯渇が原因かどうかも分かりません。
仮説2:栄養の吸収という点において、海藻とミドリイシが競合するのではなかろうか?そして、競合した場合、成長の早い者が栄養を先に(または多く)吸収し、成長の遅い者は枯渇にさらされるのでは?
ミドリイシvs海藻では、成長の早い海藻が勝ち、共肉が厚いミドリイシvs共肉が薄いミドリイシでは、共肉が厚い(より多く栄養を吸収できるキャパがある)ミドリイシが勝つのではないかと推測しました。その根拠は、共肉が最も厚い緑のミドリイシは今回の枯渇の影響をほとんど受けておらず、それより共肉が薄いウスエダの中で一部の子に共肉がやや薄くなった者がいることが確認され、さらに最も共肉が薄いブルーの子にRTNが発症したからです。
つまり、単にミドリイシ、海藻、というグループで決定されるのではなく、生物の種別を問わず、栄養塩の吸収量が多い者達が栄養を吸収するために、栄養塩量が極端に少ない場合は、栄養塩の吸収や貯蔵能力が低い共肉の薄いミドリイシがダメージを受けると推測されました。
仮説3:ミドリイシの配置は色だけでなく共肉の厚みにも配慮が必要
ミドリイシの蛍光反応等については、完璧な素人の私ですが、とあるショップの方からのアドバイスによってウスエダの高さを変え、LEDの配色調整を行ったところ、一時パープルからくすんだ赤になっていたウスエダがギトギトのブルーに変化しました。なので、ミドリイシの配置や光の配色が生体に与える影響は明らかだと自分は思っています。
ですが、単純にブルーだから高い位置に、というのはちょっと危険なように思いました。今回のRTN発症後、共肉からうっすらと骨格が透けて見えるようになりました。ミドリイシの共肉の厚みは、照明が消えているのに水槽内がよく見える朝などにとても確認しやすいので、照明の点灯下ではなく、明るい消灯時じ確認してみてください。
色揚げは、生命維持ができてはじめて可能になるので、まずはミドリイシが生きられる環境の模索を優先しましょう。
この考え方は絶対ではなく、共肉が薄いタイプでも個体が非常に健康である場合は、高い位置に置いても全く問題がないケースがあります。なので、方法を固定せずに、何かあったときはすぐ対処できるように引き出しを増やしておくことが大切なのかなと思っています。
仮説4:ツールの役割分担をうまく利用する
上級者の方々から見たら、当たり前すぎて笑っちゃう内容かと思いますが、敢えて書きましょう。
私のタンクでは何度か経験していますが、相当量の海藻が本気出してむくむく成長するとき、超絶な栄養塩吸収力を発揮します。アンモニア、硝酸塩、リン酸塩などを怒涛の勢いで吸収し、今回の給餌増でも硝酸塩はゼロをキープしました。ですが、アンモニアは照明度合いにより0~0.1でした。海藻量と照明の時間と強さを増せば、アンモニアもゼロにできると思うのですが、基本的には、ことタンパク質の除去においては、海藻はスキマーほどの仕事はできないのでは?と個人的には思っています。
アンモニアが出る前のタンパク質を最も効果的に除去する仕事は、たぶんスキマーにやらせる方が効果的です。スキマーか?海藻か?ではなく、初期の仕事をスキマーに任せ、その後の仕事を海藻に任せるようなイメージでしょうか。
さらに、これは海外のフォーラムで読んだことなのですが、溶存有機炭素の低減には活性炭が有効らしいのです。ところで私はこの溶存有機炭素(DOC: disolved organic carbon)とはなんぞや?が全然わかっておらず、調べてみると、その存在にはメリットとデメリットがあるが、自然の海水中のDOCはとても低いのでタンク中のDOCを低下させることで自然環境に近づけることができる、という程度の認識しかありません。ところで、活性炭は入れすぎるとミドリイシの色が褪せるらしいので、本当に少量でよく、リアクターなどに入れなくても、ある程度の水流のあるところに設置するだけで効力があるそうです。うちでもスプーン1杯程度の量をネットに入れて落水箇所にぶら下げていました(2週間程度で交換)。ですが!ほかのツールと違って、その効果が試薬で測れないので、あまり長続きしなそう。。。人って効果が見えないとあまりやるき出ませんよね?
またリン酸塩ならばリン酸吸着剤が効力を発揮します。
いずれにしても、一口に栄養塩を下げる、といっても、どの段階の栄養塩を下げたいのかによってツールを組み合わせたり、ツールの強度を調整したりするのが良いのかな?と思います。
その意味では、栄養塩を下げるために巨大なスキマーを導入するのも手で、初期段階の栄養塩をドカンと一気に取り去ってしまうのもアリかとは思いますが、一方で、たとえばそんなスキマーを入れる場所がない、あるいは金がない、となれば、海藻やリン酸吸着剤に仕事を分担させることで比較的安価に解決可能となるかと思います。
話は変わりますが、ロブストは元気いっぱいの爆食い状態へ突入。
ブルーの子の後に入れた子。写真ではブルーっぽく見えますが、先端がパープル、付け根が白でした。最近では付け根がシアンっぽくなってきて、色の変化がなかなか素敵です。
それと、Fish Streetからデジタルの塩分濃度計を買ってみました。どこまで正確なのかは分かりませんが、校正液もついているので、ある程度は使えるんじゃないかと思います。購入した理由は、自分が持っているプラスチックのやっすいメーターと、同じく激安で買った屈折計が、温度等の影響を受けていて、まったく正確に測れていないんじゃなかろうか?と思ったからです。目的は正確な測定ではなく、微量元素の正確な維持です。コーラルラボさんの記事にあるように、塩分濃度がパラメータを左右してしまう度合いが非常に大きいので、裏を返せば、塩分濃度がちゃんと出ていない状態で必死に微量元素の調整を行っても意味がない(いくらやっても正確な度合いが得られない)ことになってしまいます。なので、まずは塩分濃度計を、ということになりました。
デジタルにしては安かったですし、海外でのレビューが意外と良かったんですよね。
それにしても、うちの水槽、、、ワイルド固体を分解しすぎ。。。。ライブロックを増強したばかりなのに、もう置き場がなくなってきました。。。ま、色々ありますが、これはこれで一年後とかにどうなってるのかな~?と思うと楽しみですね。
ロブスト放流
少し前に導入したブルーのミドリイシについて、ちょっと気付いたことがありました。普通、ミドリイシのポリプは手に触れたときや何かの衝撃を与えたときにスッと引っ込むものですが、このミドリイシだけは、水槽に手を突っ込んだだけでポリプが引っ込むのです。
下の写真はポリプが出ている普段の状態です。
触れてもいないのにポリプ引っ込めるって、どんだけ敏感なのよ!と思いません?
なので、たとえば餌付けのために餌をバラまいただけでも、ポリプが縮んだりします。
そこで考えました。もしやっ!サンプへの落水箇所にフィルターソックス(フィルターバッグ)を履かせて、メインタンクのダスト量を減らせば、この子のポリプはもっと奔放にボサボサと伸びてくれるのではないだろうか?と。。。
なもんで、実験大好き♪ な私はやってみました。
なんで穴あけてんのよ、って?それは、装着後わずか2日でソックスの上から水が溢れ、部屋を水浸しにしたからです。このソックスは200ミクロンのきめ細かさ。塵がバンバン舞ううちのタンクでは、あっという間に目詰まりしてしまいます。そこで、穴をあけて、目詰まりしても、海水がサンプの中に落ちるようにしたのです。
で、確かに、メインタンクの塵は非常に減りました。見栄えは断然こちらの方が良いです。が、、、例の敏感ブルーミドリイシのポリプ具合は、今のところ変化なしです。。。1~2日でソックスを履き替えさせる必要ができて、面倒な仕事が増えたのと、塵の少ないクリーンなディスプレイタンク、、、どちらを取るかは悩ましい。。。。
さて、先日から継続していたロブストバタフライへの餌付け(餌やり頻度の増加)によって、タンクはこんな風に。。。
しかしロブストを落ち着かせたかったので、水槽には手を突っ込まず、ガラス面は惨憺たる有様です。
しかし、そもそもそれほど物おじせず、食欲も旺盛なロブストなので、百均ケースの中で難なくスペシャル練り餌を食べ始めたため、放流しました。
ロブストって、ちっさい頃はほんとにやせっぽちで、ちょっと貧相な感じなんですよ。最初この子の一代目を買ったときは、この子には申し訳ないですが、う~ん、この貧相な子にこれだけ支払ってしまったか、、、と思ってしまったものでした。
下がベビーから少年になった頃のロブストの写真なのですが、なかなか凛々しく成長するんですよ。こんな風に。
人の好みってそれぞれなので、チョウの割には地味って思う人もいると思うんですが、自分的にはなんか好きなんですよね。
この子が入ったことによる水槽内パワーバランスの乱れはありませんでした。うちのタンクでは、マージンドコーラルフィッシュとピカソクラウンが2大ボスですが、どちらも自分のテリトリーに入られるのは嫌ですが、必要以上に追い回したりはしないので、あまり攻撃性は高くありません。なので、ちっこいのが一匹入ったくらい何ら気にしていない様子です。
このままスクスク育っておくれ♪
誰かが魚を持ち込みました。。。
私には、ときどき記憶があいまいな時があります。
気がつくと、タンクに左隅に謎の百均ケースが入っていました。
おもむろに覗いてみると、こんな子が入っていました。
誰かがアサリを与えたようです。いったい誰がロブストバタフライの幼魚をうちのタンクに持ち込んで、餌まで与えたのか。。。。不思議だ。。。。
ちなみにこれまでに飼育した魚で自分が最も気に入った3匹をあげるなら、以下になります(順不同)。
シマヤッコ
- 他に類を見ない独特の遊泳スタイル(洞窟内の逆さ泳ぎや、体を水平にしたまま狭い岩間を縫うように泳ぐ姿は魅惑的)
- 模様と形状が美しく、レイアウトされた水景に映える
- ミドリイシのポリプはたまに突くがそれほど激しくはない
- 警戒心が強く、堂々としていないところにかえって惹かれる
マージンドコーラルフィッシュ
- 色と形が華やかで美しい
- ものおじせず掃除のために手を突っ込んでも、割と手の近くで平気で泳いでいたりする
- 慣れると人の手から餌を食べる(個体差はあると思います)
- チョウチョウなのにミドリイシのポリプを突かない
欠点:のんびりした性格で、愛らしい顔をしているのに、底に落ちて起き上がれなくなった貝をド突き殺してしまうことが頻繁にある
ロブストバタフライ
- 色と形が好み
- 幼魚時は愛らしく、成長すると凛々しくなる
- 慣れると人の手から餌を食べる(個体差はあると思います)
- チョウチョウなのにミドリイシのポリプを突かない
- 性格が素敵(他の魚を威嚇せず、他の魚に威嚇されても委縮しない)
ところで、数か月前に水流を強化し、うちの水流まあまあ良いじゃん!と自己満足していた私でしたが、とんでもないことに気付いてしまいました。うちの水槽の中で最も澱んでいる箇所を発見してしまったのです。
それはサンプの第三室目の揚水ポンプ室でした。数か月前に配管を改造するまでは第三質に流動リアクターの排水が2本流入していて、ほどよくもまれていたのですが、リアクターを外してしまってから、水面はギトギトでドヨ~ンとしていたのでした。
そこで小型のポンプを突っ込んで水面に水流を向けることで、水面の油膜を攪拌することにしました。
それと、チャームでフトジュズモを注文しました。ロブストの入海でしばらくは餌付けのために水が汚れると思うので、フトジュズモで濾過を強化します。
一般にはホソジュズモを使う人が多いかと思いますが、フトジュズモでも同等の効果を発揮します。ジュズモは他の海藻に比べて溶けにくいと言われますが、永遠ではないようで、うちでは以前入れていたホソジュズモが溶けてなくなりました。
うちの水槽では、何しろ全水量の20%に相当する大容量をリフジウムとして使えるようにサンプを作ってあるので、ここにがっちり海藻を入れるか入れないかで、栄養塩の処理能力がまるっきり違ってきます。今回はチャームで販売しているフトジュズモでも最も量が多い300gを投入します。照明は夜間点灯によって夜間のPHスイングを防止する程度で十分で、24時間点灯にする必要はないくらいの栄養塩処理能力を発揮してくれると思います。
下の写真は最近のホソエダです。
以前激しく色落ちして赤っぽくなっていたウスエダですが、最近ではこんな風にギトギトのブルーです。ポリプがブルーの地肌を隠すので、ポリプが出ていない方が青みが強く見えるのですが、ポリプは出ていて欲しいし、そこは仕方ないですね。。。先日の要素ディップの結果ですが、やはり、一部の手遅れの個体を除いて、STNは止まっていて、うち一部は付け根の活着が広がりつつあるように見えます。
謎の夢遊病者が連れてきたロブスト、早く爆食い状態に持って行って解放したいです。