小さなタンクでSPS

このところ、どうやってカルシウムリアクターなしでSPSを飼うかを考えていました。

 

はなちゃんの水槽は60cmで、今のところ、スペースの1/3をイソギンが、1/3をLPSが占めています。SPSを投入できる残りの僅かなスペースのためにカルシウムリアクターの初期投資はデカ過ぎます。

 

まず最初に行き当たったのがKent Marine Liquid Reactor。この添加剤でカルシウム、マグネシウムストロンチウム、アルカリ度のケアができるという。「液体リアクター」とは、ずいぶん直球なネーミングです。

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が、フォーラム等を歩き回って調べた感じでは、これを使うならE.S.V. B-ionic 2-Part Calcium Bufferの方がうんと良いよ、という意見が多く見られます。こちらはカルシウムとアルカリ度を調整する2本のボトルから構成されていますが、同時にマグネシウムストロンチウムも最適なレベルに調整するらしい。

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Marine Depotというショップにおけるこの商品のレビュー数は126と凄まじく、その大半が支持しているような商品。数年間、調子良くSPSを飼育している、といったユーザーも珍しくないようです。ところが、どこのショップをあたっても日本への送料がバカ高くて、たったの十数ドル~30ドルちょっとの商品に送料$100ドルとか、、、ちょっと現実的でない感じです。

 

アメリカではB-ionicのような2本立てでカルシウムとKHを調整する商品がポピュラーなようなので、他にも何かないか調べてみました。2 part calcium and alkalinity で検索すると、いくつか出て来ました。その中で、Two Little Fishies C-Balanceというものが、どうやら約500mLの濃縮ボトル(x2)を薄めて、それぞれ1ガロン(3.78L)ずつ2本の液を作れる、ということで、送料を低く抑えられそうなことが分かってきました。C-バランスのCは、Calcium(カルシウム)のCと、Carbonate(炭酸塩)のCから来ているのでしょう。(追記:Seaの発音にもかけているみたい。。。)

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レビューでは「これで10年間サンゴを飼っている」とか、「カルシウムは450ppm、KHは9dKHで変動は±1程度と、常に安定している」とか、なかなか良さそうです。

 

カルシウムリアクターなしで、個々の成分を個別に添加するのは面倒だし、一通りの添加剤を揃えると、コスト的にも大きくなってしまうと思います。しかしこの商品なら、特にうちのような小さなタンクの場合なら、カルシウムリアクターに勝るコストパフォーマンスです。ただ実際の物自体のパフォーマンスがどうかは使ってみないと分かりません。

 

ところで、面白い記事がありました。カルシウム+アルカリ度のバッファーは自分で作れる!というものです。

http://reefkeeping.com/issues/2006-02/rhf/index.php

実際にこの記事を使ってローコストの添加剤を自作し、長期運用に成功している人も多いようです。私も、これはっ!と思ったのですが、なんだかんだ材料を揃えるとそこそこのコストがかかりそうなこと、うちにはオーブンがなく、オーブンで300°Fで1時間の加熱、という部分ができないこともあり、DIYは断念しました。

 

どっちも使ってみた人のレビューでは、既製品の方が多様な微量元素が含まれるせいか、サンゴの成長は既製品の方が速かったらしいです。

 

今回、Two Little FishiesのC-Balanceをアメリカのアマゾンで発注しましたが、もう一品、Brightwell AquaticsのMicroBacter7という添加剤も一緒に買いました。

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実は、バイオペレットリアクターの効果を詳しく調べているうちに、評価が大きく分かれていることに気付きました。大成功している人も多いのですが、大失敗している人も多いのです。その要因はいくつかあるのですが、多かったのが、バイオペレットリアクター運用後の最初の数週間は絶好調で、硝酸塩もリン酸も検出できないほどまで低減したものの、なぜかシアノやダイノスが蔓延してしまった、というもの。つまり、リアクターがポジティブな菌だけでなく、ネガティブな菌も大繁殖させてしまった、というのです。

 

ところが、さらにあちこちのフォーラムや商品レビューを読みあさっているうちに、面白いコメントをチラホラ見つけることが出来ました。それは、リアクターと共にMicroBacter7を併用することで、リアクター運用によって繁殖したシアノやダイノスを一掃することができた、というのです。(マイクロバクター7は、さながら、7種類の微少なバクテリア、といったニュアンスだろうか。。。)それも、ひとつふたつでなく、同じようなことを言っている人が何人もいるのです。「MB7を使うようになってから、バイオペレットの効果が増した」と言う人もいれば、「硝酸塩0、リン酸塩0でもシアノが猛威をふるってしまい、水を替えても、塩を替えても、照明を変えても変化なし。MP40を2つ入れて水流を作っても効果なし。友人の勧めでMB7を入れたら8日目で90%のシアノが消滅した」というリアルなコメントも。。。

 

MB7の中身は好気性と嫌気性の菌と酵素です。なので、ぜったいにMB7でないといけないということではないようです。日本ではZeobakというものとバイオペレットリアクターの併用で成果をあげている人も多いようです。

 

今回500mLのMB7を発注してしまいましたが、私のタンク容量ではおそらく多くても1日1滴程度の添加しか必要ありません。なのに消費期限は1年間です。失敗しました。たぶん使い切れません。

 

さて、これで、まだ届いてはいませんが、バイオペレットリアクター、ポンプ、バッファー系添加剤、微生物系添加剤と、SPSを迎え入れるための一通りの手は打ちました。何しろ、うちの水槽だと追加できるSPSはせいぜい3個程度と思われ、たったそれだけのためにコストをかけられないという事情が。。。。その意味では、今回の調達は割りかし意図した程度のリーズナブルさでおさまっているのではないかと思います。

 

これ以外にも水流や光、LPSとの共存など、課題はありますが、何とかだましだましやってみようかと考えています。

 

ところで、今日やってみた硝酸塩のテストでは、ここ数日水替えをコツコツ真面目にやっていたにもかかわらず、5ppmと、前回の6ppmとあまり変化がありませんでした。やはりバイオペレット+微生物添加に依存するのが最短コースではなかろうか、と再認識。。。

 

たぶんこれらの装備でも本格的なリーフキーパーの皆さんからすればハナタレグレードなのだろうと思いますが、うちでは相当いっぱいいっぱいな感じです。

 

 

さて、あとは到着を待つばかりです。

 

追記:「数ヶ月も店置きされたボトルの中でバクテリアが本当に生きてるのか?」という疑問に答えるために、MicroBacter7のサンプルを研究所に送ってバクテリアの生存状況を調査したビデオがありました。

 

結果、オリジナルの溶液中のバクテリアはちゃんと生存していたことが確認されました。また海水中に添加して24~48時間後のサンプルにもオリジナル溶液中と同種のバクテリアが生存していました。ちなみに、添加前の海水(作って間もない海水)も研究所に送り、そこにはごく僅かなバクテリアしかいなかったことも確認されています。

 

 

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