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初歩的でありながら取り返しのつかない失敗

海水魚 水質 器具・装置

朝、餌付け水槽に横たわるシマヤッコを見つけました。結果から書くと、またしてもシマヤッコの飼育に失敗してしまいました。決して読んで楽しい記事でもないでしょうし、自分自身、言い訳がましく書くのもイヤだったし、あまり書く気分でもなかったのですが、私と同じような初歩的なミスをされる方が、今後少しでも減ることを願って、書き残しておこうと思います。この失敗が、どこかで活かされるかも知れないので。

 

落としてしまった原因は、アンモニアでした。以下、今朝測定した結果です。といっても、この時点で既にシマヤッコは旅立ってしまった後だったのですが、合点が行かず、測定しました。

 

PH:8.5

亜硝酸:非検出

アンモニア:1.5

 

アンモニアがの値が高すぎます。原因は以下に集約されるかと思います。

 

餌付け水槽の濾過不足

餌の投入過多(大量、高頻度)

小型水槽に必要な濾過能力に関する飼育者の認識不足

 

アンモニアで魚を殺すなんて、オマエはいったいいつから海水魚を飼育してるんだと自分に言いたくなります。

 

お恥ずかしい話ですが、私は、アンモニア試薬ほど役に立たない試薬はない、くらいに思っていました。おそらく、これまで私が60cmという比較的小型の水槽で飼育しながら、常に少なめの生体数でしか飼育を経験してこなかったためだと思います。これまでの測定では、亜硝酸、硝酸塩、リン酸塩等が検出されることはあっても、アンモニアが検出されたことが一度もなかったのです。それに、アンモニア以外の測定結果も、未だかつて生体に危険をおよぼすほどの数値を記録したことはありませんでした。まずこれが第一の勘違いであったと思います。

 

そして、毎日多めの換水を実施しているから水質は問題ないと思い込んでいました。普段、60cmの水槽では、毎日のように半量換水するようなことは、まずありません。自分の中では、半量以上の換水は、とても容量の大きな換水であるという固定観念がありました。なので、餌付け水槽で行っていた毎日の大量換水は、十分すぎることはあっても、不足することはないだろうと、自分の中で決めつけていました。これはとんでもない間違いでした。60cm水槽の半量換水と、10L程度の超小型水槽での半量換水とでは根本的に訳が違う、ということに気付きませんでした。

 

アクアリウムの世界では頻繁に謳われていることを、なぜ自分が見落としたのか、今でも自分で理解に苦しみます。

 

今のわが家の水槽は、サンプも入れて、おそらく100L未満の水量。餌付け水槽は10L程度。10Lの水槽に1匹泳がせる密度は、100L水槽で10匹泳がせるのに等しい密度です。加えて私は、吊られ食い狙いでカクレ、病気予防の期待を込めてペパーミント、という、計3体の生体を入れていたのですから、これは、100L水槽で30匹泳がせるのに等しい密度です。

 

しかも、プロティンスキマーやバイオペレットリアクターはおろか、まともな物理濾過すら設置しない水槽で。

 

この、密度に対する認識が、第二の勘違いです。水槽のサイズが小さければ小さいほど飼育難易度が上がることなど、耳にタコができるほど、そこかしこで聞かれる話です。

 

さらに、デリケートなシマヤッコということで、メンタル面の影響ばかりを気にして、水質に関する認識が欠落していたのは、余りにも初歩的なミスと言わざるを得ません。不調に陥ったときにおよんで、夜間の部屋の照明がどうとか、混泳ストレスがどうとか、そういうところにしか目が行かなかったのは、餌付けに対する意気込みが強すぎて冷静さを欠いていたのかも知れません。

 

思えば自分は、餌付けはもちろんのこと、水合わせや混泳についても、デリケートな生体を飼育したことがほとんどありませんでした。もし今日までにヤッコやチョウチョウの経験がもっとあったなら、もしかしたら今回のような初歩的なミスによる事故は起きなかったかも知れません。言ってみれば、餌付け水槽に要する機材や、水質への配慮、その他の必要な知識や技術が十分でないまま、というか、認識が甘いままで、いきなりシマヤッコという難易度の高い魚に、立て続けに二回も挑んだのですから。

 

知識に関しては、「水質」とは、アクアリウムという趣味の世界では腐るほど言われ続けているありきたりな部分です。アクアリウムでは基本中の基本。これを知らなかったとは言わせない、という絶対的なルールです。ですので、知識とか技術が十分でなかったというのは、言い訳にしかなりません。知っていたのに、生かせなかった。この不甲斐なさに怒りすら覚えます。

 

この、メンタル面偏重、水質面軽視の姿勢が、第三の勘違い。

 

正確に言うと、私は二度も、この同じミスを犯していたのだと確信しています。一匹目のシマヤッコも、色々な敗因はありましたが、最後の引き金は、この濾過不足の水槽によるアンモニアではなかったのだろうか、と今では思います。最大の要因であったかどうかは分かりませんが、少なくともかなり大きな要因の一つではあったのだろうと、今になって気付きました。

 

前回の子のとき、明らかに餌付け水槽よりも、本水槽の方が生き生きして見えたのも、単にライブロックが豊富にあるからとか、泳げるスペースが広いからでなかったのだと、あのとき気付けていればと、悔やまれます。

 

この残念な出来事があった後ですら、皆様からの貴重なアドバイスには、ただただ感謝しかありません。アドバイスを無駄にしてしまったことを本当に申し訳なく思います。生かせたはずのシマヤッコにも、今さら謝っても仕方ありませんが、本当に申し訳ない気持ちです。

 

シマヤッコに限らず、魚の餌付けは、飼育者をハイにする強烈に素晴らしい体験であると同時に、基礎的なことができなければ大きなリスクを伴います。決して真剣さが足りなかったとか、そんな風には思いませんが、餌付け水槽の準備に関しては、致命的なミスがあったし、それは経験ある皆様からすれば、蓋を開けてみれば、そんなこともできていなかったのか!と言われても仕方ないほど初歩的なものです。

 

前回、隠さずに言うなら、バリ産ということで、食べない個体、いかんともしがたい個体であったのかも知れない、私以外の誰が飼ってもうまく育てられなかった子を連れてきたのかも知れない、という思いがどこかでありました。情けない話ですが、それは間違いであったのだろうと思います。最後に餌付け水槽に投入したとき、やはり、今回の子と同じく、劣悪な環境とは気付かずに放置したのですから。

 

餌付けは、魚へのメンタル面の配慮、飼育の知識と技術、水質を保つ十分な機材あるいは環境、この三つのどれが欠けてもうまく行かないものだ、というのをあらためて思い知らされました。

 

最後に、あらためて、色々なアドバイスを惜しげなくくださった方々や、過去の経験をシェアしてくださった方々、シマヤッコの成長を応援してくださっていた方々、ありがとうございました。そして申し訳ありません。

 

今日の記事は、このあたりで。m(_ _)m