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シマヤッコの餌付けと、バイオペレットリアクターについて

もう更新を怠ってからずいぶん経ってしまいました。最近シマヤッコを投入し、意外にも、過去の餌付けの苦労はなんだったんだろう?と思うくらいあっさりと餌付けに成功したので、その方法について少々書きたいと思います。

 

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1.場所:今回、最初から本水槽に入れました。水槽内の隔離ルームや別水槽の完全個室より、早い段階でリラックスさせることができたと思います。また、隔離部屋から本水槽へのショックもなくせるので、せっかく餌付けできたのに、本水槽に来たらまたショックで拒食に、みたいなことは避けられます。あなたの家はこんなとこ、周りには古株がいて、水槽の外に人間もいて、っていう環境に初期の段階から慣れさせます。

 

2.餌1:毎朝毎晩ブラインを多めに沸かして投入。多めにっていうのは、水槽内のどこを泳いでも目に付かないはずがない程度に多く、という意味です。

 

入海直後のシマヤッコは、餌が周囲を漂っていても、ライブロックを突き続ける傾向があります。あくまで想像ですが、目の前に餌が漂っていてもライブロックに気が向いてしまう理由は、海中では、浮遊物より岩礁などの微生物などをついばんでいることが多いために、餌が漂ってくるという概念が理解できないからだと思います。

 

水槽内では、餌は漂ってくるもの、という概念を学習させます。そのために、毎朝、毎晩、水槽に人間が近づいてくる→周囲を食べ物が浮遊し始める、というサイクルを繰り返します。このときの餌の量は、ほのかに漂う程度では不十分で、シマヤッコが「なに?なんなの?ちょっと落ち着かない」と思えるくらいの量が良いと思います。

 

当然普段より水は汚れますので、水質を維持するために、換水量や換水頻度は上げてください。

 

2~3日後には、ちびちびブラインをついばむようになりました。水槽は安全で食べ物も豊富、昼間っから岩陰を出ておやつを召し上がっても、問題ないんじゃね?ということが、なんとなく分かってきたと思います。

 

2.ブラインに替えて、フレークの大量散布に切り替えます。フレークは水面に浮いてしまうので、容器に海水を取り、その中で馴染ませてから散布します。岩陰に隠れることが多いシマヤッコの場合、いきなり水面まで来ることは考えにくいからです。

 

最初からフレークの大量散布でも良いんですが、ブラインは生き物ですから、ピョコピョコ動く姿が、これまで自然環境で生きてきたシマヤッコにとっては、より食べ物らしく見えるんじゃない?ということと、ブラインは粒が小さいですから、同じ大量散布でもブラインの方がまだ水を汚す度合いが少ないんじゃない?と判断したからです。おそらく、冷凍ブラインからでも、あるいはフレークからでも、行けると思います。とにかく、水槽では、獲物は岩から突く → 餌は漂ってくる に変えることが重要です。

 

私が思うに、シマヤッコの餌付けの難しさは、シマヤッコが自然界にはない法則に馴染まなければならない、というところにあると思います。それが、人間が近づくと餌がどこからともなく漂ってくる、というルールです。岩陰に身を隠し、岩の窪みにいる獲物をハンターのようについばんできたシマヤッコにとって、餌は水中を漂ってくるってこと自体が、相当不自然というか、想定の範囲外のことなんだと思います。

 

このフレーク大量散布は、あまり精神衛生上は良くありません。とにかく他の魚達がコロッツコロに太っちゃうし、当然、コケの繁殖速度が飛躍的に加速します。ですけど、たったの一週間程度、大量換水を続けるだけで、特別な設備も工夫も根気も要らずに餌付けできると思えば、どうってことないとも思えます。

 

餌は漂ってくるもの、という脳内革命が起きているシマヤッコに人口の餌を食わせることは、難しくありません。フレーク投入2日後くらいには、ちゃんとフレークもついばむようになりました。その後は、他の粒餌も普通に食べるようになりました。

 

過去には、練り餌ハンバーグを作ってライブロックに塗り込んでみたり、アサリなどの生餌を試したり、複数の異なる餌で好みをさぐったり、色んな実験をしてみましたが、今回の方法が最もラクで早かったです。もちろん、色んなやり方があるので、私の方法は、選択肢の一つと思っていただければ。

 

私はかつて、シマヤッコは相当なグルメな魚なんだと思っていました。しかし今は、最も大きな問題は水槽という未知の環境での新たなルールだと思っています。自然の海中では、あの目をぎょろぎょろさせながら、岩の周辺を回遊し、獲物の動きなどを視覚的に察知して突きに行くシマヤッコにとって、水中を漂っている静止物を獲物として認識しないのは、当然のことだと思います。まして、その浮遊物が少量であれば、なおのこと無視するのが当然でしょう。だから私は、ブラインみたいに、ピョコピョコ自分でも動けるものを、無理矢理視界に入るようにばらまくことを勧めたいのです。そして、獲物or餌は漂ってくる→漂ってくるものは、食べられるかも知れない、という学習をさせてあげて欲しいのです。

 

おこがましい願いですが、私の記事によって、餌付けの失敗から死んでしまう何匹かのシマヤッコを救えるなら嬉しいことです。シマヤッコは、本当に愛らしい仕草の、魅力満載の魚です。しかもヤッコのくせしてミドリイシに害をおよぼさない優等生でもあります。珊瑚の森を縫うようにして優雅に泳ぐこの魚に魅了されてやまないアクアリストは少なくないでしょう。でも決して安い方ではない方ですし、何しろ喪失のショックは大きいので、餌付けのハードルは越えて欲しいです。

 

ところで話は変わりますが、バイオペレットリアクターの回し方で気付いたことが2つありました。

 

1.バクテリアの添加量が多いほど効果が上がる。

 

最近、水槽の大掃除をしました。ライブロックは煮沸して天日干し、海水は8割を換水。ちょっとやり過ぎな感じですよね。皆さんは真似しない方が良いかも。

 

その後、バイオペレットリアクターは取り外し、底砂なしのベアタンクに変更したのですが、ガラスやライブロックにコケが繁殖しがちになりました。微生物を抹殺しちゃったのですから、当然ですよね。その後、一定量のバクテリアを投入してはいたものの、改善は見られず、2週間後にバイオペレットリアクターを復活させました。それでも目に見えた効果はありませんでした。

 

そこで、3日間ほどに分けて、微生物を大量投入しました。これまでのようにチョボチョボではなく、その3日間はドバドバ入れました。すると、コケの状況は大幅に改善しました。まず、ベアタンクですので、普段は底に魚の糞がコロコロしてるのですが、明らかにその個数が少なくなりました。つまり、微生物の分解速度が飛躍的に向上したんだと思います。ガラス面についても、緑になるのではなく、ガラス面にうっすらと何かはつくんですが、それまでは2~3日で緑化していたのが、4~5日で何かがうっすらと付着する程度になり、掃除の際の落としやすさも格段に上がりました。

 

これは単に、バクテリアが不足していた水槽のバクテリア密度を強引に上げただけなので、バイオペレットリアクターとの因果関係を裏付けることにはなりませんね。はい。バイオペレットリアクター+バクテリア=最強効果、は、ただの想像です。ですけど、バクテリアだけ、あるいはバイオペレットリアクターだけ、ではこの効果は得られないと思います。少なくともバイオペレットリアクターを回すだけで何もしないよりかは、バクテリアの投入が効果的であったことは明かだと思います。

 

2.バイオペレットリアクター内のペレットの回し方は、ペレット同士の衝突回数が最大になるよう調整する。

 

以前私は、バクテリアがリアクター内で培養されるのだと思っていました。そしてリアクター内で栄養分をたんまり食べたバクテリアがリアクターから出てきて、プロティンスキマーに吸い込まれていくことで、水質が改善するのだと。

 

この考え方は否定しません。実のところ、水槽内で起こっていることを目にしているわけではないので、否定のしようがありません。

 

ですが、私はこう考えたのです。バクテリアがリアクター内で活性化するのではなく、リアクターから発せられる微粒炭素源によって、水槽内のバクテリアが活性化するのではないか?と。

 

バイオペレットリアクターは、内部でペレットが豪快にグルグル回っているよりも、下でゴロゴロしているくらいの方が効果が上がる、と以前どこかのブログで読みました。そしてそれを実践していましたが、その理由がなぜなのかを考えたことはありませんでした。

 

そこで、ある仮説を立ててみました。ポイントは、ペレットの回転速度やペレットと海水との接触面積などではなく、ペレットとペレットとの接触回数にあるのではないか?と。つまり、バクテリアの餌である炭素源からなる固形物同士が頻繁に接触し、摩擦によって微小なカスになり、そうした炭素源の微小なカスが水槽内に散布されることによって、バクテリアが水槽内部で活性化するのではないか?という考え方です。

 

バクテリアがバイオペレットリアクターの中で活性化するのではなく、炭素源が水槽内に豊富に供給されることによって、水槽内のバクテリアが活性化する、ということです。実際、リアクター内のように大量の水流の出入りがある場所で、ずっとバクテリアがとどまっていられるでしょうか?私には、そこがバクテリアリアクターになっているとは考えにくいのです。

 

だから、リアクターの排水がスキマーの給水ポイント付近になるように配置するのはやめて、揚水ポンプ近くに排水されるように変更しました。揚水ポンプによって炭素源がダイレクトに水槽内部に行き届くと思ったのです。

 

で、話を戻しますと、現在、バイオペレットリアクター内部のペレットの回転は、底でゴロゴロではなく、それよりも少し強めにして、リアクター外部からパチパチと音が聞こえる程度に、ペレット同士が最も高い頻度で衝突し合う程度の流量としています。これ以上強くすると、ペレットが舞い上がり、ペレット同士の衝突頻度は下がります。ですから、ゴーでもなく、ゴロゴロでもなく、パチパチなのです。

 

実際、このように変更してから、スキマーの泡上がりが良くなりました。もちろん、これも何かで計測したわけでなく、感覚ですので、正しいと断言はできません。ただ、シマヤッコがかわいくて、これまで朝だけだった給餌を朝晩2回にし、あきらかに餌が増えているにもかかわらず、極めて良好な水質を保てている事実から、今のセッティングが、少なくともわが家の水槽においてはベストな設定なのだろう、という風に思えるわけです。

 

え~、またまた話は変わりまして、換水について。

 

わが家の新ルール:換水は予防処置として行う

 

以前は、ガラスやライブロックの状況から判断して、そろそろ換水どきかな?という感覚や、一週間経ったから換水しよう、といったルーティンにもとづいて換水していました。

 

今は、約100Lに対して、毎朝4Lを欠かさず換水するようにしています。

 

1ヶ月ほど前、わが家の愛すべきピカソが2匹とも病気になりました。これが大量換水の理由だったわけですが。この子達はめっぽう病気に強く、ちょっとくらいじゃ体調を崩したりしないので、体表にリムフォシスティスとおぼしきカリフラワーのようなものが付着し、アンバランスに傾きながら泳ぐようになったのは、大変なショックを受けました。よほど水が悪かったに違いない、と思った私は、毎日水を部分的に新鮮にすることに決めました。

 

自分は、ガチで横着者です。やらないで済む換水はしないで済ませたいタイプです。だからこそ毎朝やるのです。数日空くと、面倒になってやらなくなりそうだからです。実際、毎朝やるのも面倒は面倒ですが、コック付きのタンクにRO水と海水の元を入れて、ガチャガチャ振って、サンプにポタポタやるだけなので、10分かからないで完了します。慣れてきても、やはり面倒ですが、こんな私なので、数日空いてから重い腰を上げるよりも、まだやりやすいルールなのです。

 

さて、効果ですが、やはり、事後的に後追いで、何らかの動機が沸き上がってくるのを待ちながら、仕方なく換水するよりも、予防的に行う換水の方が、なんか良い気がします。これもまた、なんか良い気がするだけで、何の検証にも基づいていません。ただ、汚れるのを待ってからやるよりかは、そもそも汚さない、という立ち位置で作業していますから、実際汚れません。汚れますけど、その度合いは後追いの換水パターンのときより、めっちゃ良い気が、自分ではしています。

 

さて、ホントにブログを書くことがおっくうになっちゃった私ですが、今も様々な失敗を繰り返しながら、なんとか飼育を続けられているわけですね。幸運なことです。

 

あ。そういえば、リムフォになったピカソを、はなちゃんが看病したときのエピソードを一つ。

 

病気が悪化し始めてから、はなちゃん、病気が心配で心配で、淡水浴やる?やる?と毎日のように聞いてくるようになりました。私も、そうだね、やろうね、とは言うものの、仕事も忙しいしで、やむなく放置する日々が続きました。

 

そんなある日、職場にはなちゃんから電話が。「まるちゃん(ピカソ大)がおかしい。泳ぎ方がヘン。死んじゃうかも」と。げげっ!と焦った私は、「淡水浴やって良い?」と聞くはなちゃんに、もうこのままではどうせ死んじゃうから、やっちゃえ!という気持ちで、ゴーサインを出しました。

 

電話で淡水は温度合わせをすること、海水に戻すときは徐々にすること、などを説明し、はなちゃん単独でやってもらうことに。

 

帰宅後、やったよ、と、さらっと言うはなちゃん。どれくらいやったの?と私。「ん~と、15分くらい」

 

。。。。。。

 

ええ~~~~~っ!!!電話では5分くらいと伝えておいたのに、なんと3倍の15分!弱ったピカソでなくても、15分の淡水浴は相当な負荷であっただろうと思います。しかも「途中で酸素やってなかったのに気がついて、ブクブク入れた」とのこと。つまり、弱ったピカソに15分間、途中まで酸素なしで淡水浴を敢行したのです。聞いた私が肝を冷やしました。

 

しかし、なんとその後、私の大量換水+大掃除もあって、ピカソ達は見事に復活を遂げたのでした。

 

しかし、ピカソ以外の多くが、それまでに犠牲になっていました。昨年は本当に出張が多くて、一週間程度水槽を見れないことが何度かあったので、本当に手抜きになりました。結果、ミドリイシは全滅、この仕事状況だとせめて魚が生きられるように維持できれば仕方ないだろう、くらいに思っていたのですが、魚すらも危ない環境になっていたんですね。今回の事件は目を覚まさせてくれました。

 

さて、新入りのシマヤッコの写真をもう一枚。同じ底ものに対して敵意を剥き出しにするヤエヤマギンポのいびりにあってか、かなりボロボロにされちゃいましたが、うまく立ち回り方を覚えてくれればヒレは復活するので心配していません。

 

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下の黄色い色がレモネードを連想させるので、はなちゃんと私は、モネちゃんという名前で呼んでいます。バカな私は、初心を忘れて水質を悪化させることがあるので、気をつけなければいけません。この子は、たっぷり食べてもらって、ムッキムキになって欲しいと思います。

 

それでは皆さん、って、私はもう忘れられているでしょうけど、楽しいアクアリウムライフを。