トリトン断念→換水システムへ
トリトンで組んだ水槽ですが、トリトンをあきらめて独自路線に変更することにしました。
まずは自動換水にしました。
1.オートトップオフによるROの足し水のための電磁弁を一定時間タイマーで停止
2.ATO停止中にドーシングポンプで3Lを抜き取り(45分間)
3.抜き取り完了後に作り置きしておいた海水3Lをドーシングポンプで投入(45分間)
4.投入完了後に自動でATOの電磁弁に通電
海水はあらかじめ20Lのポリタンに作り置きしてあります。20Lタンクといっても21L以上は入るので、毎日3L消費すると、7日間使えます。抜き取った海水を貯めるタンクも同じ容量のタンクなので、週末に海水を作っておけば1週間手ぶらで換水できます。
3Lは300L弱の水量に対して、1日1%の換水量です。Reef2Reefで有名なRandy Holmes-Farleyという人が、毎日1%を換水していると聞き、まねをすることにしました(この人が自動化しているかどうかは知りません)。1日1%というのはちょっと少ない気もしますが、本日このシステムにパイロットミドリイシを1体導入して様子を見ることにしました。
そもそもトリトンにした理由は長期出張でも無換水で維持できるようにするためでしたが、換水を自動化することで対応することにしました。ポリタンクを買い足せば2週間でも自動で換水できます。
ドーシングポンプがポタポタしか投入できないために、3Lの投入に45分間かかるのがかえって都合が良いです。海水は温度調整など一切せずに作り置きから投入します。
作り置きの海水の鮮度は、成分に有機物を有するかどうかによるとのこと。有機物が含まれる場合、日数が経過するごとに組成バランスが崩れてくるので、2~3日で消費したほうが良いようです。そのため、有機物を含まないとされるインスタントオーシャンを使います。価格も安いです。
今はミドリイシが1体なのでKHの消費は気にする必要はないと思いますが、このパイロットミドリイシが成功したら、余っているトリトンの添加剤をドーシングポンプで添加してKHを維持したいと思います。
もう一つの変更点は、バイオペレットリアクターの復活です。これもトリトンでは推奨されていないのですが、追加したマージンドコーラルフィッシュもロブストバタフライもめちゃめちゃ大食漢で、しかも冷凍/生餌が大好きとあって、水がめちゃめちゃ汚れるようになってきました。
うちの水槽はバイオペレットリアクターとの相性が良く、ヤフオクで買ったBlue Treasureという聞いたことのないメーカーのバイオペレットでも2週間ほどでキンキンに効くようになりました。たぶん中華製なのでしょうか。どこ製とかあまり気にしません。アンモニア、亜硝酸、リン酸塩がほぼ無検出(精度の高い検査では出ると思います)、硝酸塩が5程度に収まっています。
バイオペレットリアクターの良さは、スキマーの泡上がりがめちゃめちゃ良くなることです。泡がモコモコ発生すると気分が上がるのがアクアリストのサガではないでしょうか?
ちなみに通常バイオペレットリアクターは、排水がスキマーの給水付近に来るように設置するのが良いとされています。うちではその方法は完全に無視しています。リアクターの排水は揚水ポンプでメインタンクに送られるようになっています。私の考え方では、炭素源をメインタンクに供給してメインタンクでバクテリアを爆殖させ、そのバクテリアをミドリイシ(まだ成功してないけど)などに供給してから、ぐるっと回ってスキマーに吸わせるという流れを想定しています。この方法でもスキマーの泡上がりはめちゃめちゃ良くなりますし、今のところうちでは何の問題も起きていません。
スキマー自体も、ホームセンターで2cmの石のブロックを買ってきて底上げしました。これで水位はスキマーポンプの上についている穴がいっぱいあいてるパーツの上の部分くらいの高さになりました。
水位が高いと、ポンプが水を持ち上げなければならず、水位が低いと泡だけを持ち上げれば良いので、泡上がりが良くなるのかな?と思うのですが、本当の理屈はよく分かりません。とにかく水位は、多少の変化があったとしてもポンプが過熱しない程度のレベルに下げる方が泡上がりは良いみたいです。ずっとこの趣味をやっているのに、スキマーの水位をまじめに実験することなくここまで来てしまいました。そんなの今頃気づいたの?って感じですよね。今のスキマーに満足していない人は、試してみると良いと思います。
パイロットミドリイシとロブストバタフライです。最近、ネシアなのにこういう薄い色で販売する店が多くなりましたよね。すぐに濃くなると思います。
ロブストバタフライは食に対してはアグレッシブです。よく食べます。あと、幼魚の特徴だと思いますが、警戒心が弱くて手から餌を食べてくれます。かわいいです。
マージンドコーラルフィッシュも元気です。一時期餌を大量に与えていたせいで苔がすごいですが、実はこの苔の中にヨコエビ系の生き物が生息しているので、ちょっと掃除をするのがためらわれます。
なぜなら、磯場にてまじめにプランクトン採取をしてきたからです。プランクトンネットをネットで検索すると、こんな風な道具が出てきます。
これを海中で引き回してプランクトンを回収するわけです。
というわけで、自作してみました。
百均の鯉のぼりの下に小瓶を装着してあります。これで水中を引き回し、持ち上げてプランクトンを回収します。単純ですが、実によくできた道具です。
この日は娘たちも一緒だったので救われました。中年のおっさんがたった一人で水中に手を突っ込み、ニヤニヤしながら鯉のぼりを引き回す姿。。。想像しただけでもアブナ過ぎます。
目に見える大きさのプランクトンは、岩や海藻を歯ブラシでこすると、その下に置いた容器に落とすことができます。ヨコエビ的なプランクトンは結構たくさん採れます。
ワラワラ系の採取はもっと簡単です。砂を掘り起こすと、結構な頻度でニョロニョロと入っています。砂だけの場所よりも、若干泥っぽい場所の方が多く生息しているようです。
この日はタコも2匹採れました。足にペタっとくっつく物体があり、なんじゃ!と思ったらタコでした。連れて帰って唐揚げにして食ってやりました。鮮度抜群のタコは抜群の旨さでした。でも料理の時に腕に絡みつかれたときの吸着の強さには驚きました。大人の男性の力で雑巾絞りを食らったような痛みが走り、はがすと赤い内出血のポツポツが残っていました。この手の生物が得意でない人はパニックになるでしょう。
調理は、はなちゃんとはなちゃんの妹も参加しましたが、内臓を取り出しても動き回るタコに大興奮。貴重な食育体験でした。
水槽内のプランクトンに話を戻します。磯場で採ってきた緑色のヨコエビが、ちゃんと水槽内で繁殖しているのが確認されました。なので、見た目の悪い苔を掃除したくないのです。今回採取したヨコエビは緑色なので、これまでサンプの数珠藻で繁殖していたタイプと見分けるのが簡単です。メインタンクでもサンプでも繁殖が確認されました。
うちでは現在3か月間マンダリンが生息しています。人口餌を食べないので、水流を弱めて冷凍餌を底に漂わせて食べさせています。このマンダリンにとってヨコエビ系プランクトンは最高の餌になるので、なおのこと、この苔は取り除いちゃイカンと。
もう一つ変えたことは、ガラス面を金属のスクレーパーでこするのをやめてみました。今は研磨剤を含まない台所用タワシでガラス掃除をしています。フロートガラスの製造には錫が使われますが、ガラスには錫が付着する面とそうでない面があります。たぶん中華製の私の水槽では、その面を気にせず組まれたんじゃないかな?と想像しています。換水しようが何しようが錫が減らないのはそのせいかも知れないと。
そんな私の水槽でも、ある一定期間、とっても良い色具合でミドリイシを飼えていた時期が短期間ありました。そのときは毎日少量の換水を実施していた時期と重なっています。実は今回1%の換水を実施しようと思ったのは、それを思い出したからというのもあります。あの頃の水槽でも錫は検出されていたのですが、それでも維持できていたので、もしかして?と思ったわけです。ミドリイシが許容できる程度にイオンバランスが保たれていたのかな?と。
トリトンは、私の水槽のような特異な状況がなければ、たぶん非常にイージーなシステムだと思うのですが、錫が出たり、何らかの問題がある水槽では、換水に頼ったほうが安定するのではないかと推測しています。
う~ん。何度失敗すればミドリイシの安定飼育にたどり着くのか。。。とにかく試行錯誤を繰り返して、なんでも思いついたことは試してみるしかありません。がんばろっと。
そうそう。水槽内のわき役について。今回まじめにプランクトンを採取して分かったことは、プランクトンやらワラワラやら貝などの魚以外の生き物は、実際の自然の海の中では、ものすご~く高い密度で生息しています。あれを水槽内で再現しようとしたら、よほど大量にぶっこまないと同等にはならないと思いました。ワラワラが嫌いでない人にとっては、コレは結構楽しいことだと思います。これから暖かくなるので、ぜひ磯遊びに出かけてみては?