ミドリイシバラバラ事件。再び。。。

結論から申し上げましょう。お気に入りのブルーのミドリイシ、分解しました。

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ご覧の通り、中央左側と右奥に白化が見られます。それもジワジワ来るSlowなアレ(STN:slow tissue necrosis)ではなく、共肉がペロペロ剥けるRapidなアレ(RTN:rapid tissue necrosis)です。

 

分解直後の写真。

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現在は分解から3~4日経過していますが、RTNの症状は見られていません。

 

最近のSTN、RTNによって、自分流の対処法が見つかりました。

 

STN

有効:ヨウ素ディップ

(自分の場合は、1Lあたりヨウ素添加剤10滴に15分浸ける)

無効:分解→フラグ化

 

RTN

有効:分解→フラグ化

無効:ヨウ素ディップ

 

今回のRTN発症のプロセス(推測)は以下のとおりです。

 

1.ロブストバタフライの餌付けに伴う給餌量、給餌頻度の増加

2.栄養塩対策のため、フトジュズモ大量投入(かなりの量)&サンプ24時間点灯

3.水流ポンプの苔が緑から茶色化するほどの急激な栄養塩減少

4.タンク内ミドリイシ中最も共肉が薄いブルーミドリイシが栄養塩不足により痩せてしまい、RTN発症

 

その後、フラグ化を実施した後、次の対策を試しました。

 

1.栄養塩増加のために3~4日間スキマー停止

2.猛毒のアンモニアが0.1になったことを確認し、これ以上のスキマー停止は危険と判断し、スキマー稼働

3.フトジュズモへの照明を暗くし、さらに夜間のみ点灯とした

 

推測の域を出ないのですが、現時点で、次の仮説が想定されました。

 

仮説1:全タンク容積中20%程度を占めるサンプスペースの第一区画(我が家の場合)にフトジュズモを投入し、24時間照明を当て続けると、共肉が薄いミドリイシは耐えられないほど栄養塩が低下する

 

「栄養塩」と書いていますが、具体的に何が足りないのかは特定できません。硝酸塩ゼロ、リン酸塩ゼロの超低栄養塩タンクでも維持できる人がいるので、本当に栄養塩の枯渇が原因かどうかも分かりません。

 

仮説2:栄養の吸収という点において、海藻とミドリイシが競合するのではなかろうか?そして、競合した場合、成長の早い者が栄養を先に(または多く)吸収し、成長の遅い者は枯渇にさらされるのでは?

 

ミドリイシvs海藻では、成長の早い海藻が勝ち、共肉が厚いミドリイシvs共肉が薄いミドリイシでは、共肉が厚い(より多く栄養を吸収できるキャパがある)ミドリイシが勝つのではないかと推測しました。その根拠は、共肉が最も厚い緑のミドリイシは今回の枯渇の影響をほとんど受けておらず、それより共肉が薄いウスエダの中で一部の子に共肉がやや薄くなった者がいることが確認され、さらに最も共肉が薄いブルーの子にRTNが発症したからです。

つまり、単にミドリイシ、海藻、というグループで決定されるのではなく、生物の種別を問わず、栄養塩の吸収量が多い者達が栄養を吸収するために、栄養塩量が極端に少ない場合は、栄養塩の吸収や貯蔵能力が低い共肉の薄いミドリイシがダメージを受けると推測されました。

 

仮説3:ミドリイシの配置は色だけでなく共肉の厚みにも配慮が必要

 

ミドリイシの蛍光反応等については、完璧な素人の私ですが、とあるショップの方からのアドバイスによってウスエダの高さを変え、LEDの配色調整を行ったところ、一時パープルからくすんだ赤になっていたウスエダがギトギトのブルーに変化しました。なので、ミドリイシの配置や光の配色が生体に与える影響は明らかだと自分は思っています。

ですが、単純にブルーだから高い位置に、というのはちょっと危険なように思いました。今回のRTN発症後、共肉からうっすらと骨格が透けて見えるようになりました。ミドリイシの共肉の厚みは、照明が消えているのに水槽内がよく見える朝などにとても確認しやすいので、照明の点灯下ではなく、明るい消灯時じ確認してみてください。

色揚げは、生命維持ができてはじめて可能になるので、まずはミドリイシが生きられる環境の模索を優先しましょう。

この考え方は絶対ではなく、共肉が薄いタイプでも個体が非常に健康である場合は、高い位置に置いても全く問題がないケースがあります。なので、方法を固定せずに、何かあったときはすぐ対処できるように引き出しを増やしておくことが大切なのかなと思っています。

 

仮説4:ツールの役割分担をうまく利用する

 

上級者の方々から見たら、当たり前すぎて笑っちゃう内容かと思いますが、敢えて書きましょう。

私のタンクでは何度か経験していますが、相当量の海藻が本気出してむくむく成長するとき、超絶な栄養塩吸収力を発揮します。アンモニア、硝酸塩、リン酸塩などを怒涛の勢いで吸収し、今回の給餌増でも硝酸塩はゼロをキープしました。ですが、アンモニアは照明度合いにより0~0.1でした。海藻量と照明の時間と強さを増せば、アンモニアもゼロにできると思うのですが、基本的には、ことタンパク質の除去においては、海藻はスキマーほどの仕事はできないのでは?と個人的には思っています。

アンモニアが出る前のタンパク質を最も効果的に除去する仕事は、たぶんスキマーにやらせる方が効果的です。スキマーか?海藻か?ではなく、初期の仕事をスキマーに任せ、その後の仕事を海藻に任せるようなイメージでしょうか。

さらに、これは海外のフォーラムで読んだことなのですが、溶存有機炭素の低減には活性炭が有効らしいのです。ところで私はこの溶存有機炭素(DOC: disolved organic carbon)とはなんぞや?が全然わかっておらず、調べてみると、その存在にはメリットとデメリットがあるが、自然の海水中のDOCはとても低いのでタンク中のDOCを低下させることで自然環境に近づけることができる、という程度の認識しかありません。ところで、活性炭は入れすぎるとミドリイシの色が褪せるらしいので、本当に少量でよく、リアクターなどに入れなくても、ある程度の水流のあるところに設置するだけで効力があるそうです。うちでもスプーン1杯程度の量をネットに入れて落水箇所にぶら下げていました(2週間程度で交換)。ですが!ほかのツールと違って、その効果が試薬で測れないので、あまり長続きしなそう。。。人って効果が見えないとあまりやるき出ませんよね?

またリン酸塩ならばリン酸吸着剤が効力を発揮します。

いずれにしても、一口に栄養塩を下げる、といっても、どの段階の栄養塩を下げたいのかによってツールを組み合わせたり、ツールの強度を調整したりするのが良いのかな?と思います。

その意味では、栄養塩を下げるために巨大なスキマーを導入するのも手で、初期段階の栄養塩をドカンと一気に取り去ってしまうのもアリかとは思いますが、一方で、たとえばそんなスキマーを入れる場所がない、あるいは金がない、となれば、海藻やリン酸吸着剤に仕事を分担させることで比較的安価に解決可能となるかと思います。

 

 

 

 

話は変わりますが、ロブストは元気いっぱいの爆食い状態へ突入。

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ブルーの子の後に入れた子。写真ではブルーっぽく見えますが、先端がパープル、付け根が白でした。最近では付け根がシアンっぽくなってきて、色の変化がなかなか素敵です。

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それと、Fish Streetからデジタルの塩分濃度計を買ってみました。どこまで正確なのかは分かりませんが、校正液もついているので、ある程度は使えるんじゃないかと思います。購入した理由は、自分が持っているプラスチックのやっすいメーターと、同じく激安で買った屈折計が、温度等の影響を受けていて、まったく正確に測れていないんじゃなかろうか?と思ったからです。目的は正確な測定ではなく、微量元素の正確な維持です。コーラルラボさんの記事にあるように、塩分濃度がパラメータを左右してしまう度合いが非常に大きいので、裏を返せば、塩分濃度がちゃんと出ていない状態で必死に微量元素の調整を行っても意味がない(いくらやっても正確な度合いが得られない)ことになってしまいます。なので、まずは塩分濃度計を、ということになりました。

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 デジタルにしては安かったですし、海外でのレビューが意外と良かったんですよね。

 

それにしても、うちの水槽、、、ワイルド固体を分解しすぎ。。。。ライブロックを増強したばかりなのに、もう置き場がなくなってきました。。。ま、色々ありますが、これはこれで一年後とかにどうなってるのかな~?と思うと楽しみですね。