低換水システムにチャレンジ!

最近のタンクです。特に茶ゴケが目立たないのは、シュポシュポで吹き飛ばした直後だからで、普段は本当にひどいです。飛ばしても飛ばしても復活します。

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ついにヤケになって対策を施しました。

 

GFO(Granular Ferric Oxide: 粒状の酸化鉄):3g

GAC(Granular Activated Carbon:粒状の活性炭):30g

 

GFO(鉄系のリン酸吸着剤)、バッグに入れてサンプの落水箇所に入れました。量はタンクのリン酸塩の量に応じますが、うちの場合は3gも入れると1~2日でリン酸塩がゼロになります。苔が必要とするリン酸塩を枯渇させようという考えですが、、、実は今のところ入れてから4日ほどですが、残念ながら目立った効果は出ていません。。。リン酸塩は検出されません。本当は硝酸塩もリン酸塩もある程度残して、色の濃いミドリイシを目指す予定だったのですが、あまりに茶ゴケがなくならないので方針変更です。

 

GFOは、以下の記事にあるように、色々な要素を下げてしまうので、ある程度の調整が必要です。

https://www.advancedaquarist.com/2012/2/chemistry

うちでもアルカリやマグネシウムが若干下がったので、添加量で調整しました。意外にも鉄分は一時的には上がるものの、投入前と同程度に収まるようですね。。。

 

GAC(活性炭)は、DOC(Dissolved Organic Carbon: 溶存有機炭素)の吸着に効果があるという研究結果を見て、入れることにしました。実験のグラフでは、確かに活性炭を入れた時間だけ溶存有機炭素が減り、活性炭を取ると増えていました。が、、、正直、DOCって何?って聞かれるとよく分かっていません。栄養素でもあり汚れでもあり、メリットでもデメリットでもある、という中途半端な理解しかできていません。とにかく今回は、もしかしたら効果があるかもしれないと思われるものを実験的に試しています。しかし、約一週間経過していますが、こちらも特に茶ゴケに効果があるかどうかは確認できていません。

 

もしかしたら、茶ゴケというのは、そんなに大きな問題ではないのかも知れません。茶ゴケが発生すべき栄養素がそこにあるから発生するんであって、自然のバイオフィルターの一環と考えれば、特に害はないと言えるかも知れないです。海外ではNew Tank Syndrome(立ち上げ症候群?)と呼ばれ、新規立ち上げやリセットに伴う、バクテリアのサイクルが立ち上がっていない状態で出るのが普通で、時間とともになくなる、とされています。ただ、うちの場合は、リセット直後にチェルモン餌付けのためにドカドカ餌を投下しちゃったので、茶ゴケの繁殖がすごいことになっています。

 

今は人力で吹き飛ばし、落水箇所のソックスで回収、というのを繰り返していますが、効果は全く見えません。飛ばしても飛ばしても急速に復活します。GFOとGACで枯渇してくれると良いのですが。。。

 

今のところは、硝酸塩もリン酸塩も試薬上はゼロというULNS(Ultra Low Nutrient System:超低栄養塩タンク)になっちゃってるのですが、茶ゴケの量を見ると、、、どこが超低栄養塩?と思っちゃう感じです。少なくとも、茶ゴケがウハウハで爆殖できるほどの十分な栄養があるに違いありません。バクテリアのバランスが偏らないよう、念のため異なるバクテリアをたまに添加していますが、これも、実際水槽のバクテリアバランスが見えるわけじゃないので、効果のほどは何とも、、、

 

超低栄養塩と言っても、換水をガンガンやってるとかではないんですね。換水は、1日1%(約300Lのタンクなので、1日3L、月次90L/315L=月次30%以下)をドーシングポンプを使って自動換水しています。栄養塩は、ウォッカドーシングや鉄系リン酸吸着剤で無理やり栄養塩をねじ伏せている感じです。

 

換水量が少ないので、換水の負担感はゼロですが、塩分濃度が非常に速いペースで上がっていくので、ドーシングポンプでRO/DI水の添加を始めました。

 

それと、塩を替えてみました。これまではヴィーソルトでしたが、新たにトロピックマリンのプロリーフシーソルトにしてみました。

 

この塩がまたバカ高いんですよ!!!あんじゃこりゃ???ってくらい。。。1割2割増しの世界ではなく、自分が使っていたヴィーソルトの最安レベルとの比較で言うと、7割増しなんですよ。おぞましく高いですよね。これをバンバン換水しましょうとなったら、ボロボロ泣けてくるレベルです。

 

ではなぜトライしてみるのかというと、この塩、世界中の上級アクアリストからの評価がすごく高いんですね。もちろんコストが高いので、シェアが大きいとかではないんですが、えげつないタンクを維持している上級者が好んで利用しているというイメージです。じゃあ中身はどれくらい違うのかというと、普通の人工海水って、自然の海に存在する要素のうちの30~40種類くらいしかブレンドされていないそうなんです。ところがトロピックマリンのプロリーフは、70と、ほぼ全要素が入ってるらしいんですね。

 

世界中の色んなアクアリストが色んな塩でミドリイシを飼育していて、それこそ、インスタントオーシャンですよ、とか、何らかの添加で要素を補わない限り、ちょっと厳しいんじゃないの?という塩から、王道のレッドシーまで様々なので、70の元素が入っていないとダメですよってことでは全然ないんですね。ただ、ミックスされてる微量元素ってそんなに違うの?っていうのは衝撃ですよね。逆に言うと、そんなマニアックな、必要かどうかも分からない元素のために7割も高い塩を使うのか?っていうのもあるんですが、どうもそそられるわけです。。。ヴィーもトリトンテストで非常にバランスが良くて、消費の早い要素だけ添加すれば十分に行けることは分かっているんですが、含まれている微量元素の種類の豊富さとバランスで言うと、プロリーフはとんでもない塩みたいなんですよね。何しろ、あのトリトンがプロリーフを推奨しているくらいですから。

 

もう正直にぶっちゃけてしまいましょう!実は!換水量を減らしたのも、トロピックマリンのプロリーフで上がったコストを相殺するためだったのです!!!!ビンボーくさ~!!!

 

しか~し!!!それなりの裏を取ってます。

 

海外のフォーラムを読んでいると、本当に正解なんてないんだと思えるくらい、色~んな方法で飼育している人達がいます。特に欧州では水の硬度が高いということで、極力換水量を少なくし、その代わり良質の塩で維持する、という流れがあるらしいのですが、本当に無換水で何年も飼育している人もいるし、1日1%程度もざらにいますし、トリトンのような無換水システムもあります。カルシウムやマグネシウムをリアクターではなく、ドーシングポンプで補うというボーリングメソッドも、ドイツのDr. Hans Werner Balling: トロピックマリンのハンス・ワーナー・ボーリング博士)によって開発されました。換水以外の方法、あるいは、非常に少ない換水でありながら、トレースエレメントなどの追加と濾過の強化によってタンクを維持する方法は、ある程度確率されていると言っても良いくらいです。もちろん、多数派ではないですし、どちらかと言えば反対派も多くいます。

 

で、考えたのが次の方法です。

 

- 最高級のプロリーフを微量換水してコストを削減

- 消費の大きなアルカリ、マグネシウム、カルシウムはドーシングで添加

- 微量なトレースエレメントの減少は、同じくトロピックマリンの添加剤で補充

- 栄養塩はスキマー、ウォッカドーシング(炭素源添加)、リン酸塩吸着剤、活性炭で処理

 

ここまで行くと、当時自分が挫折したトリトンに非常に似ています。トリトン挫折の理由は、「錫の混入経路を特定できず、必要なものを添加できても、有害なものを除去するのが難しい(プラスよりもマイナスははるかに困難)」というものでした。結局、錫は、換水によって不純物の排出が混入を上回ったのか、RO浄水器のDI強化によって排除できたのか、ヒーターをチタニウムヒーターに変えたからなのか、そのどれかによって解決されたのですが、不純物の混入がなくなった今ならば、無換水や低換水システムも行けるかも知れない!というのが今回のコンセプトです。。。。。ププゥっ!!!コンセプトっていうとちょっとカッコ良いですが、ただのビンボーなんですよ!!!ホントはねっ!!!そしてさらに、超がつくほどの横着者!!!!だって金がかからなくて手間がかからないのって、サイコー❕ウヒョヒョヒョヒョ❕

 

はっ、、、と我に返ってしまう自分。。。恥ずかしい。。。

 

くれぐれも自己責任でやっていることなので、皆様はシステムの変更には十分にご注意くださいね。

 

トレースエレメントの枯渇対策は、トロピックマリンのプロコーラルミネラルを使う予定です。これ、プロリーフの濃縮版のようなもので、プロリーフと同じ70の元素を粉末で補える添加剤なのです。特に消耗が早いと言われるヨウ素ストロンチウムを補完できるようになっているみたいです。

 

さて、チェルモンですが、いつの間にか1か月近くが経過しました。前回疑われたアンモニア焼けらしき症状ですが、完璧に治っています。

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ヒレの黒い点は消滅しましたし、実はブログには書いていませんでしたが、白点も出たんですが、それも消滅しました。チェルモンの餌付けチャレンジにあたって、あちこちのブログから諸先輩方の経験談を読破しましたが、どうも、餌付けの難しさに反して、チェルモンは病気には強いようなんですね。類似種のマージンドコーラルフィッシュを長く飼育しているときにも、同じことを感じていました。水質さえ良ければ、おそらくこの子達は病気には強いタイプだと思います。この子達はこれまでに、白点、黒点ヒレの切れ、くちばしの怪我などを経験しましたが、何のトリートメントもなく治りました(水質が悪いと、こうは行かないので注意してください)。

 

チェルモンは、以下の餌を食べるようになりました。

活きイトメ

冷凍イトメ

冷凍ブライン

冷凍ホワイトシュリンプ

活きアサリ

冷凍アサリ

アサリの殻に塗った人工餌(人工餌100%)

 

人工餌は殻に塗れば食べるのに、浮遊させても食べず、ペッと吐き出します。たまに間違って食べちゃうことがあるくらいでしょうか。。。なかなか根気が必要です。

 

そんなわけで、餌付けは道半ばですが、殻に塗った人工餌だけだと肉付きが良くならないので、冷凍餌もあげ続けています。冷凍餌をあげたほうが、肉付きも色艶も良いのでバンバンあげちゃいたいくらいなのですが、まだ濾過サイクルが立ち上がっていないジレンマがあり、ちょっとセーブしながらあげています。

 

チェルモンの餌付けによる水質汚染を強力に防いでくれたウォッカドーシングですが、今日からはちょっとやり方を変えました。

 

現在、茶ゴケ撲滅キャンペーンとして、ウォッカを毎日3滴(うちのタンクの場合、これだけで硝酸塩もリン酸塩もセロにできます。GFOはトドメの一撃です)入れてますが、これを自動化しました。

 

1滴は0.04mlほどと言われていて、うちのドーシングポンプでは1ml単位でしか添加できないので、ポンプを使えません。そこで、ウォッカをRO/DI水で希釈しました。

 

0.04ml x 25倍 = 1ml

ということは、0.04mlのウォッカに対して、0.96mlの水で、1mlの希釈ウォッカが作れます。これで1mlをドーシング添加すれば、0.04ml(一滴)のウォッカを入れたことになります。

 

同じ比率(1:24=25)で、計500ml作ります。0.04ml x 500倍 = 20ml、0.96ml x 500倍 = 480mlという感じです。これをボトルに入れて、ドーシングポンプで毎日3ml入れれば、1日3滴入れたのと同じことになります。楽だし、入れ忘れや入れ間違いがないので安心です。

 

ピカソクラウンですが、やはりこの子はイソギンがいないと寂しそうなので、代わりにハナサンゴを入れてあげました。

 

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本当はハタゴを入れるのが最高ですが、年に1~2回歩かれて水流ポンプに吸い込まれて撃沈というパターンを防ぐために、ハナサンゴで我慢してもらいました。案の定、1週間ほどもすると気にし始め、2週間もすると、あきらめてモフモフするようになりました。

 

ちょっと気付いたのですが、クマノミってモフモフしだすと、肌質が一気に良くなる気がします。うちの子だけなのか、すごく不思議なのですが、この子は久しぶりにモフモフをし始めた直後から、肌の色艶や輝きがとても良くなりました。本来イソギンの毒性への抵抗力があるクマノミですが、何か肌の分泌物への影響があるのか、モフモフと健康に関連がある気がする。。。

 

というわけで、とりとめもなく色々書きました。こんなブログでもたまに覗いてくれている人がいるというのは嬉しいものですね。更新がたまに滞るのは、主にタンクに変化がないときか、うまく行かなくてテンションが下がっているときですね。ブログをつけると、いつ頃、何をどのように変えたのかの記録になるので、読んでる人がいるかいないか分からない状況でも書き続けています。ブログとは別に試薬でのテスト結果と添加量は別のファイルに記録してるんですが、なんというか、、、ブログは良い思い出にもなるんですよね。それと、いつかどこかで誰かの参考になれば良いなと思ったり。。。

 

今回の換水システム変更もそうなんですが、何か新しいことにチャレンジするとテンション上がりますよね。その変化を見るのも楽しいし。これまでスキマーレスにチャレンジしたり(失敗でした)、いろんなことをやってますが、今回のチャレンジは、うまく行って欲しいなぁ~と思ってます。がんばろーっと。