行ってまいりました!ひさびさのスイハイ!!!

大先輩からスイハイのお誘いをいただき、ありがたく参加してまいりました。写真は実物を正確に描写していないので、ご理解ください。スマホのカメラだと、どうしてもわざとらしい色合いになりがちなのですが、実物はもっと自然で繊細な色合いですし、共肉の艶などは、どうしても写真では伝わりにくいかと思います。

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スイハイは久しぶりですが、色々と思うことがありました。雑誌やYouTubeなどで世界中のタンクを見られますが、実物を見る感動は想像以上で、メディアに写る景色が、いかに平坦で、味気ないものになっているのか。本物のタンクがいかに圧倒的で、贅沢なのかを思い知りました。

 

驚いたことに、こんなに魚が入っていて(撮影時は隠れてしまいましたが、本当はもっとたくさん泳いでいます)、どの子も肉付きがプリプリなのに、硝酸塩がゼロということでした。ライブロックも苔はほぼ皆無です。それも、硝酸塩をゼロにするために血のにじむような努力をされているとかではなく、どちらかと言えば硝酸塩を増やしたいのに、かなりの量の餌をあげても増えないんだそうです。

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こちらのハタゴはいったん色落ちしてから、この色に戻ったのだとか。。。イソギンの色褪せは良く聞きますが、色揚げされるとは。。。

 

衝撃の事実は、この完成されたバランスを維持するために、何か特別なことをやっているわけではないとのこと。水をビカビカに輝かせる添加剤だとか、入れた翌日に色が上がる魔法の添加剤とか、そういったものは一切いれていないです。

 

「スネークオイル」という言葉はご存知でしょうか?海外のフォーラムでよく使われるんですが、効果がない(または検証がなされていない)薬を効果があるみたいな触れ込みで売っちゃう添加剤のことを言うんですね。本来は、たとえば塗るだけで癌が治る塗布薬とか、そいうったものをいう言葉です。特にペット業界では、人間に適用する薬ほど厳格な安全基準がないので、スネークオイルなのか何なのかが本当に分かりにくいですが、こんなにキレイなタンクを構築するのに、そういうものは必要ないってことを、逆に証明しちゃっているようなタンクなわけです。このタンクを見たら、大半のショップさんのミドリイシが汚く見えてしまいます。

 

実験や試行錯誤が大好きで、思いついたことを実行しては火傷している私のタンクとは対極にあるタンクです。必要なことは徹底し、必要でないことは一切しない、そうすると、こんな風な素晴らしいタンクを維持できる、という見本のようなタンクでした。

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スパスラータのこのグラデーション。。。。某ショップでは売れ残った肌色のスパをよく見かけます。どこかでお会いした上級アクアリストの方も、スパの色揚げには相当苦労されているとのことでしたが、、、海外では色揚げ不可能種とみなされて人気がないのだとか。。。

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逆さ富士ではないですが、水流を止めていただいたときに映りこんだミドリイシとの対比がとても美しい。。。

 

さて、今回いらしたのが非常にスキルの高い方々ばかりで、お話をうかがうだけでも勉強になるのですが、いわゆる飼育法以外の部分でも、強烈な衝撃を受けました。めちゃめちゃ遠方からこのスイハイのためだけにいらして、当日中に帰宅されるという方は、こういった会合や欲しい生体のために、数百キロを車でかっ飛ばしてくるわけです。普通なら通販で買うような生体も、ご自身で見て、持ち帰られるんですね。

 

普通に考えてみてください。何百キロも離れたとあるショップで気になる生体が入荷したとしますよね?送料が1,000円くらいだったとして、部屋で一発ポチっとすれば終わりです。めちゃめちゃ楽ですよね?大半の方々がこの方法を選ぶ、というか、こういう方法しかないと思い込んでたりしませんか?

 

この方、自分がモノのある場所に行くんですよ。んで、自分で見て連れてくるわけです。確かに、経験上、届いた生体が写真の色合いと全然違ってることって、かなり多くて、自分に限って言えば、どちらかというと、そういうケースの方が多いくらいです。自分の場合は、これぞと思った生体は電話で色具合を相談してから買いますが、それでも、まるっきり違う色の生体が届きます。青って聞いて赤だったとか、どうなったらそうなるの?っていうのがありました。でもそれはもう自分で見てないんだし、その人にはそう見えたと言われればそれまでなんですよね。しかしそれが高額な生体であったなら、さぞショックなことでしょう。ただ、ポチれば1,000円の送料も、見に行けば、その分のガソリン代と高速代と食事代で何万円も割り増しになり、もし気に入らなかったら、何しに行ったんだ?ということにもなりかねません。それにしても、ヘンな生体が届いた衝撃と比べると、どっちが安いのよ?って悩ましい気がしますが。。。。自分にはできないけど、時間とお金が許せば行きたいですよね。なんかこの上なくぜいたくなことのような気がします。

 

もう一つ、面白いのは、この方、行動した人にしか分からないことを色々知ってるわけです。たとえば、行く先々で出会いがあったり、交流ができたり、モニターでポチっとするだけでは得られない経験がありますよね。あのショップって、苔でミドリイシが見えないんだぜ!とか、あそこの店員はネット上だけのマスコットじゃなくてホントにショップにいるよ!みたいなリアルな事情を知っているわけです。うかがってるだけでも、何度かブブっと吹くようなオモロなお話もあったんですが、何しろ、その大移動が全く苦ではなさそうというか、楽しそうにやられてるところが新鮮でした。ちょっと散歩にでも出かけるかのようなノリでヒューっと行かれる破天荒さが、すごいなと。。。この行動力は尋常じゃないし、私のアクアへの情熱など足元にも及ばないなと。。。本気で遊ぶってこういうことなのか、と。。。

 

ガチなアクアリストっていうと、部屋の中でコチョコチョなんやらかんやらいじってる人たちってイメージありません?もちろん、私も含めて、部屋の中でコチョコチョやっちゃいるんですよ。だけど、こうして皆さんと外でお会いして、情報交換したり、他愛もないバカ話に花を咲かせたり、豪快な距離をドーンといらっしゃる方がいたり、案外アクティブな人が多いんだな~と、あらためて、この趣味って面白いな~と思いました。

 

しかしですね、参加者全員のレベルが明確に自分より高くてですね、明らかに自分が底辺なわけです。自分はこれだけの年数アクアやってて、まだこのレベルか、、、という衝撃の事実を突きつけられてしまうんですね~。

 

その差がいったいどこから来るのか。これは明確です。あの人たちは、良い環境、生体に適した環境を作るために、外堀を埋めていきます。フォーカスがブレてないわけです。だから、当たり前のことを当たり前のようにやっているだけ、とおっしゃるわけです。対する自分は、そしておそらくは、長年初心者から脱皮できない全てのアクアリストに共通して言えることは、自分に都合の良い環境を構築するために、外堀を埋めているのではないでしょうか。

 

平たく言うならば、たとえば、お金がかからないようにシステムを構築したり、システムとして必要でないのに自分が導入したいから導入したり、濾過が追いつかないのに欲しいという理由だけで魚を大量に追加して病気にさせたり、自己解釈で大して影響はないだろうと決めつけて、やるべきことをやらなかったりするわけです。自分では、生体のために万全のシステムを組んでいるつもりでも、無意識のうちに、生体のためではなく、自分にとってラクで都合が良いルートを選んでしまっているわけですね。つまりフォーカスがブレブレ。ピンボケも甚だしい状況に知らず知らずのうちに陥っているという。。。で、結果が出ないもんだから、なおのことスネークオイル的なものに走ってみたり、果てしない迷走へと突き進んでしまうという。。。いや、そりゃキーパーの自由だから良いんですよ。それで満足ならそれで良いんだと思うんです。でもできる人達を目の当たりにしちゃうと、う~ん、これで良いのか?オレ?ってちょっと思っちゃうんですよね。

 

自分の場合は、ある日突然試してみたいことがバーン!と浮かぶと、それをやらずにいられないタチなので、そういうのが、飼育の王道から外れてしまう原因になっていることも多いです。

 

しかし、バーン!が来たときは、やはりそれは試さずにはいられません。何か新しいことをやっていないと、モチベーションの維持が難しくなるのです。ただ、そうは言っても、手堅いルートを外さない範囲でやらなければなりません。あるいは、外れそうな状況を察知して修正できないといけないですよね。がんばります。

 

さて、導入したUV殺菌灯(浄水器用を無理くり流用)ですが、結構しっかり栄養塩を下げる効果があるように思われます。UVは糞などの有機物も分解すると聞きますが、ウォッカドーシングを停止し、換水を停止(海外のダイノス情報に有効とありました)したにもかかわらず、硝酸塩はゼロのままでした。ミドリイシの共肉が一気に痩せたので、UV殺菌灯による有機物の分解が思いのほか強力だったのかな?と。たったの6Wの非力な殺菌灯なのですが。。。

 

ダイノスは低栄養塩下でも生存できるために、低栄養塩下で生存できないバクテリアに対して優位になってしまい、競合のない環境で一方的に増殖してしまいます。なので、この状況で栄養塩を下げて枯渇させようというのは間違った方法で、むしろダイノスに対抗する多様なバクテリアが繁殖できるように栄養塩をあげてあげなければなりません。

 

なので、少なくともある程度の栄養塩レベルに達するまでは、日中はUV殺菌灯もスキマーも停止し、夜間だけ作動させる間欠運転を試してみようと思います。

 

海外のフォーラムなどでUV殺菌灯の有効性が確認された事例が何例も見つかったのですが、某大先輩もおっしゃるように、ダイノスは浮遊せず、岩や砂に付着しているので、殺菌灯に入らないものは殺菌できません。海外フォーラムの事例では、ダイノスの中でも夜間に浮遊するタイプに効果があった、そのほかにやったことと言えば、ターキーブラスター(シュポシュポ)で吹き飛ばしただけだ、とのことでした。もしかしたらですが、意図的に吹き飛ばして、殺菌灯に入るようにしてあげるというのはどうなんだろう???この人がうまく行ったのは、そのせいではなかろうか???と考えてみました。

 

これもやってみなければ分からないことなので、ちょっと実験してみたいと思います。うちのタンクはまだリセット後間もなく、砂も薄いこともあり、ちょっとデトリタスが舞ったくらいでは誰も病気になりません。シュポシュポ作戦やってみようと思います。

 

いやぁ~、しかし濃いスイハイだったな~。コアな人達って集まると面白いもんなんですね。。。