手作りオーバーフロー、ついに完結編!

午前中にホームセンターに行き、2時間もウロウロして足りなかった材料を揃えました。コストと機能のバランスをとるのは大変です。

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購入したのは、タオル掛け、セメダインスーパーXゴールド、白のタイラップ、空調用エルボー16A、吸盤(これは使いませんでした。先日買ったもので間に合ってしまったため)です。

 

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サイフォンパイプの排水部分に空調用のエルボー16Aを差して、下向きに排水するようにしました。これで排水チューブが折れてしまい、水流が停滞することがなくなりました。

 

空調用のエルボーを使ったのは、アイボリーのエルボーであったためです。写真では分かりにくいと思いますが、追加したエルボーだけが白ではなくアイボリーになっています。どうせ水槽の裏に来る部品なのでグレーでも良かったのですが、もし何かの理由で壁側ではなく、反対側にサイフォンパイプを移さなければならなくなったときなどに、この部分だけグレーだと非常に目立ってしまうので、アイボリーの空調用を使いました。

 

空調用ということは、気体を想定しているのだろうと思います。かといって気密性がないわけではないので、今回のような緩い水流には十分耐えるであろう、と踏んでいます。

 

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タオル掛けバーは、エンドのキャップを外してバーを抜き取ります。実は、この吸盤が欲しいのです。この吸盤、写真ではよく分からないと思いますが、プレスチックのレバーが付いていて、これを動かすことで吸盤の脱着ができるようになっています。うちで使っているナプコのニューウェーブもそうですが、このタイプの吸盤はかなり強力です。

 

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先ほどのタオル掛けの吸盤パーツとタイラップを使って、昨日はブラブラして斜めになってしまっていたサイフォンパイプをガッチリと固定します。ホームセンターに行く前にこのパイプと水槽とのクリアランスを測っておいたのが役に立ちました。ピッタリです。

 

 

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水槽内部からは反射で外は見えません。吸盤のの形が上下に2つ見えるだけで、目立たない感じです。

 

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クリアパイプは、昨日は黒のタイラップで固定していましたが、白のタイラップに替え、吸盤も上下2個に増やしました。この吸盤は、先日買っておいたチューブピタッとLです。ホームセンターにもタイラップを通せる穴があいた吸盤は売っていたので、わざわざチューブピタッとLを買う必要はありませんでした。といっても、どのホームセンターにもこの吸盤が売っているとは限らないので、人によっては重宝すると思います。

 

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設置してサイフォンを起動。起動といっても上部の逆流防止弁から空気をちゅーっと吸うだけですが。。。上の写真は、わざとポンプを停止してみた状態です。クリアパイプの内部を水面が下がって行き、内部の白いパイプの最下部のあたりで水面が停止します。これ以上は、メインタンクからサンプに水が落ちることはありません。

 

もしサイフォンパイプの製作が失敗していたら、ここでサイフォン切れを起こし、ポンプを再稼働させても水の吸い出しが復活せず、メインタンクから水が溢れてしまいます。

 

ちょっとドキドキしながらポンプを再稼働。停電からの復帰を想定したテストです。白パイプの最下部あたりにあった水面が徐々に上がっていきます。同時に、勝手にサイフォンが機能してサンプへと水が落ちていきます。

 

最終的には、通常運転時と同じように、クリアパイプの上部のスリットの上端と下端の中間くらいで水位が安定し、何の問題もなく安定してサイフォンが機能し続けました。

 

どうやら上手く機能しているようです。

 

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上の写真では、水位がスリットの上端近くにありますが、こんな風に水位が高すぎる場合は、サンプの手前につけたボールバルブをちょっとだけ絞って調整します。揚水側の揚力(ポンプの出力)はいじることはできませんので、調整は落水側のボールバルブだけで行います。

 

調整は非常に簡単で、一度セットしてしまえば、水位が極端に変動することもなく、極めて安定して動作します。初めてのオーバーフローということで、水位が不安定に上下したりしないものかとドキドキでしたが、その不安は一蹴されました。

 

このサイフォンパイプ(呼び径16A、外径22mm)に対して、1000LPHの揚水ポンプというのは、ドンキーさんの推奨する通り、まさにベストマッチングでした。

 

先ほどの試験で、停電や故障などのトラブルでポンプが止まった場合は、サイフォンも自動停止し、サンプが溢れたりしないことが分かっています。しかし、ポンプは動き続けているのに、逆にサイフォンが機能しなくなったら、メインタンクから水が溢れることになります。

 

ドンキーさんやその他複数の人達の証言では、これが起こり得るケースというのは、サイフォンパイプの中に貝などの生体が入ってしまい、水流が停滞してしまった場合のみ、ということですが、実際にこのケースを経験した人は、このドンキーオーバーフローを採用する人達の中では、ほとんど皆無に近いようです。クリアパイプのスリットが水面から、かなり突出するように作れば、この心配はほとんどないと思います。私はヤドカリを飼ったことがないのですが、もし水中から平気で出てくるような生体を飼う場合は対策が必要かも知れません(ここまで這い上がることはありませんか?)。あとは、ジャンプした魚が偶然クリアパイプの中に入ったら、相当ヤバイかも知れません。ここはもしかしたら、何らかの対策を考えておいても良いかも知れません。サイフォンパイプが何らかの原因で詰まることは、起こりにくいですが、起こったら部屋中水浸しになり、サンプの水が枯渇したらポンプが空回しになるんじゃないかと思います。

 

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サンプです。プロティンスキマーが入るまでは、サイレンサーの位置を若干高めにして落水時に酸素が混ざるようにすることにします(ランドセルさん、ありがとうございます!)。ヒーターも水槽から取り出して、ここに入れました。いつか保護したい生体が出た場合のために、ヒーターカバーは外さないでおくことにします。

 

先日書いたように、手作りサイレンサーの高さを低くすることで落水音を完全に無音にすることができますが、ほんのちょっと浮かせて、水がチョロチョロ出るくらいでも、前面の扉を閉めてしまえば、ほとんど無音にすることができることが分かりました。

 

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エルボーや固定装置を追加した完成版サイフォンパイプの全景。

 

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水槽の全景。

 

ぬうぅぅぅ~~~、、、エーハイムの緑のパイプがめっちゃヘン!せかっくのオーバーフローシステムなのに、カッチョわる~っ!!!こっちも白のパイプで自作したいっ!!!

 

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斜めから見たところ。

 

作る前は、もっと雑で汚い完成品を想像していたのですが、蓋を開けてみると、機能的にも見た目的にもまずまずの仕上がりになりました。近くで見ると、それはそれはひどい作りの部分もあるのですが、そんなものは自分さえ気にしなければ誰も気にする人はいませんから、どうってことないかな?

 

特に大きなコストをかけることもなく完全無音のオーバーフローシステムを手に入れられたことは、自分的には願ってもないことです。リサーチの結果から、ちゃんと完成すればそのようになることは分かっていたのですが、完成するまでは、やはり不安でした。

 

途中経過も、水漏れや気泡の混入、濾過停止中の生体の調子悪化などのトラブルもなく、比較的無事に完成できました。あらためてイギリスのドンキーさんには感謝したいと思います。

 

それと、色々と教えてくださった皆様、本当にありがとうございました。今回の自作では生かせなかった部分もありましたが、次回何かのシステム拡充のときに必ず役に立ちそうなことを沢山教わることができました。

 

それにしても疲れました~。。。もうしばらく自作はしないぞ~!!!!

 

はなちゃんには、パパがどんだけ頑張ったか、良く分からないだろうなぁ~。。。

(^_^;

 

追記:このドンキーさんのオーバーフローに関心がある方のために、翻訳した概略図を記載しておきます。

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イギリスのドンキーさんは、外径22mのPVC(塩ビ管)を推奨しています。これは日本で買う場合の16Aの規格の塩ビ管(外径は22mm)になります。塩ビ管、エルボー、T、全て16Aで揃えれば問題なく接続できます。アウターパイプ(クリアパイプ)は外径50mmが推奨されています(私は48mmで作りましたが問題ありませんでした。継手(エルボー、T共に)への差し込み深さはJIS規格で決定されており、エルボー内に挿入されるパイプの長さは、確か31mmだったかな?私は差し込みしろを30mmで計算して、パイプの長さを決定しました。

 

塩ビ管の接続方法ですが、失敗すると致命的ですので、少しネット等で勉強されることをお勧めします。カット部分の面取りはされた方が良いと思います。

 

逆流防止弁は塩ビ管とは違う素材ですし、塩ビ管同士のようにぴったりとは接続できません。そのため、逆流防止弁の付け根はしっかりと肉付けして密閉性を確保するようにしてください。

 

私は底砂をいじらないようにするために、アウターパイプを底砂から浮かすようにしましたが、ぐらつかない安定した装置を作るうえでは、タンクの底に届くように作る方が安心だと思います。このパイプの設定高さが安定していることは、水位を決定するうえで大変重要です。

 

ドンキーさんは、ボールバルブでなく、微調整できるノブがついたものを使っており、流量調整はそちらの方がやりやすいそうです。しかし、私の印象ではボールバルブでも十分です。

 

また、この16Aの塩ビ管で作ったサイフォンパイプに対して、毎時1000Lの揚水ポンプが推奨されています。さらにパワーの大きなポンプを使う場合は、ポンプに負担のない方法で吸水側の流量を調整することが推奨されています。具体的には、揚水ポンプの先に流量調整のできる分岐を取り付け、送水される水量の一部をサンプに戻すことで、ポンプに負担のかからない流量調整が可能です。あるいは、人によってはサイフォンパイプをダブルで設置したり、パイプ径をワンサイズアップさせたりしている人もいるようです。

 

ドンキーさんがこのシステムを公開しているフォーラム

http://www.ultimatereef.net/forums/showthread.php?t=367635&highlight=donkey 

 

ドンキーさんの動画

 

追記(2013/10/23):起動がうまく行かない場合は次の手順をトライしてください。

 

1.オーバーフローパイプの水槽外部にある上向きのパイプの上の穴から海水を注ぎ、サンプにチョロチョロと海水が流れ込む程度まで入れる。

2.上部の逆止弁からエアを吸う。

3.チョロチョロとサンプへ水が流れ始まったのを確認したら、バルブを閉じる。

4.再度、逆止弁からエアを吸う。(これによって残りのエアが抜ける)

5.バルブを解放する。

 

これで水が勢い良くサンプに流入し始めると思います。

 

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