我が家仕様の光について

ピンクイシ追加しました。

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なんとなく深場っぽい見た目ですが、知識がないので名称とか性質とかわかりません。ネットで調べた情報、いわゆる深場と言われているものの中でもピンク系は浅場にいることが多いと書かれていましたが、いずれにしても色が薄くなるようなら位置を下げ、濃くなるようなら上げるようにしようと思います。

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深場だとすると栄養塩が低くなければならないようですが、とりあえずは、今のところ栄養塩はさほど高くないので、今のまま様子を見ます。以下、本日のパラメータです。

 

Ca 400

Mg 1340

KH 7.8

Ph 8.3

NO3 3

PO4 0

 

リン酸塩はもうちょっとあった方が良さそうなので、本日からリフジウム照明を24時間から夜間だけに切り替えます。

 

本当は緑のパイロットミドリイシが一か月生存するのを見届けてから追加する予定だったのですが、購入時にあった部分白化が修復されていることを確認し、1週間前倒ししました。

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現在の様子。

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 ずいぶん暗いですが、最近、ミドリイシに必要な光について気づいたことがありました。よくミドリイシをやるなら何ルクスなきゃダメだよとか言われますよね。私もずっとミドリイシには強い光が絶対的に必要だと思い込んでいました。

 

ところが、最近得られた色々な情報から、あることに気付いたのです。

 

最近、某アクアリストの方からの案内で、以下のエコテックマリンのサイトにある2つの記事を読んでみました。

https://ecotechmarine.com/wp-content/uploads/2016/07/ReefWholesale_CoralLab.pdf

https://ecotechmarine.com/wp-content/uploads/2016/07/World_Wide_Corals_CoralLab.pdf

 

その中で特に注意を引かれたのが、2番目の記事の中で「通常のアクアリストが十分と考える8~10時間よりも数時間長く点灯する都合でPARを下げている」というコメントです。

 

最近海外のフォーラムを読んでいて、強光で短時間か、そこそこの光で長時間かのどちらかが良いというコメントを見かけます。その考え方と一致しています。つまり光の強さと時間は、絶対的にこれが良いというものはなく、調整することでバランスを取ることができるようなのです。

 

そんなことをぼんやりと考えていたさなか、ミドリイシを長期飼育しているアクアリストの家を訪問する機会がありました。その人の水槽をありがたく鑑賞して帰宅したときにハッとしたのです。

 

その方の水槽がある部屋と我が家の水槽がある部屋は、明るさがまるで違います。水槽用灯具の明るさではなく、外から差し込む光の強さがまるで違うのです。我が家の水槽は南側に大開口の窓があるリビングに置かれていて、朝の5~6時からビシビシ光が入ってきて、もちろん日中も光は強く、リビングですので夜も比較的遅くまで煌々と屋内照明がたかれています。

 

朝日が入ってから、リビング照明が落ちるまでの時間は、実に16~17時間、あるいは日によってはもっと長くなります。この部屋にある水槽に、もしその方と同じ光量で光を当て続けたらどうなるだろうか?色が薄くなり、果てはやせ細って死んでしまうのではないでしょうか?

 

そこで月曜から金曜まで5日間、これまでよりかな~り光を落として試しました。ミドリイシは一切茶色化することなく、色も悪くない感じで維持できています。そして金曜には、上に書いたように部分白化の修復まで確認できています。

 

ということは、推測したとおり、環境からの光が強い場合は、水槽に当てる照明の照度がどれくらいで、点灯時間が何時間という答えはなく、周囲から水槽に与えられる光量を差し引いて考えなければならない、ということになるかと思います。ミドリイシには光は弱い方が良いということでは決してないので、誤解のないようお願いします。

 

もしかしたら、これまでずーーーーーっと苦しんできた錫問題も、それが核心ではなく、環境の影響を見落とした照度調整に問題があったのかもしれません。

 

ちなみにですが、以下のレクチャーによれば、ある一定の光量までは光合成は高まるが、それを超えると光合成の効率は低下するとあります。これは当たり前のことなので、特に驚きはないのですよね。

 で、興味深いのが、アルカリ度は高い方が光合成効率は高いということです。では、アルカリ度は高ければ高いほど良いかと言えばそうではないらしく、海外のフォーラムなどで言われるは、超低栄養塩水槽でdKHを8以上にすると成長は促進されるが、成長に伴って必要とされる栄養素が不足するために色が薄くなったり、先端に焼けのような症状を起こしたりするというのです。なので、この数値が良いと決まっているわけではなく、自分の水槽の栄養塩によって高めに設定する方が良いか、低めに設定する方が良いかは変わってくるようです。

 

で、さらに面白いことに、水流が弱いと、サンゴの周囲にバウンダリー・レイヤー(言ってみれば境界層)ができ、サンゴへの栄養交換が阻害されることが実験で分かっています。水流を秒速約5秒から約10秒に高めると、最大30%も光合成効率が向上するというのです。よくサンゴに最適な水流を考えるとき、停滞域ということばが使われますよね?このレクチャーの実験で使われる境界層は、停滞域、つまりタンク内の淀みのことではなく、サンゴの周囲に形成される、言ってみれば膜のような役割で健康を阻害するサンゴ外周の水の層のことを言っています。

 

このレクチャーでは、サンゴの飼育にはさほど多量の光は必要とされていない、強すぎる光は光合成を阻害する、アルカリ度は光合成効率を向上させる、水流は光合成高率に影響する、と結論付けられています。

 

こういった情報を加味して、うちのように日中ガンガンに光が差し込み、早朝から夜遅くまで絶え間なく光が与えられる水槽では、逆に灯具からの光は控えめにした方が、ミドリイシの色褪せや虚弱化は防げるかもしれないと考えました。

 

自然の海に足を運べば分かるように、ビーチの日差しはすごいですよね。リビングに海を作るならば光は強くなければならないのは分かります。ですが、光を作る要素が灯具だけでない場合は注意が必要です。外界からの自然光がどれだけ多く入っているか、生活照明がどれだけ強く、どれだけの時間影響しているかを無視して灯具から強烈な光を与え続けるのは、ちょっと問題かもしれません。

 

アルカリ度については、栄養塩とのバランスを見ながら、適度に調整しようと思います。光合成を促進したいなら高めがよさそうですが、もしミドリイシの色が褪せてきたり、不健康そうな兆候が見られたら、栄養塩を上げるか、アルカリ度を下げる方が安全だと思いました。個人的な好みとしては、あまりギトギトに栄養塩を上げるのは好きではないので、アルカリ度を上げ過ぎないように調整したいと思います。

 

それと、水流が弱いのは、とても健全なことではないようです。上の文章では栄養の交換と書きましたが、ちょっとうまい翻訳が思い浮かびませんでした。行ってみれば「代謝」とした方がより正しいニュアンスに近いかもしれません。水流については、水流ポンプを2個追加して、ミドリイシ周囲の水流を改善できるよう変更します。

 

で、上の我が家の水槽の写真に話しを戻すと。うちの灯具に2つの設定をすることにしました。1つ目は通常使う「養生モード」です。勝手に名付けましたが、つまりミドリイシの健康を促進するために調整した光量にします。2つ目は「鑑賞モード」です。やはり写真撮影や水槽を眺めて楽しみたいときは、たまには明るい光で見たいものです。鑑賞モードは完全にミドリイシの健康を無視した、オーナーのための光です。

 

しばらくはこんな感じで様子を見たいと思います。