かなり残念なことに

数日前にピカソクラウンのまるちゃんとトラちゃんの子ども達の中の唯一の生き残りだった子が逝き、ヤエヤマギンポのオジサンが逝き、今朝、数年間愛嬌を振りまいてくれたまるちゃんが逝ってしまいました。昨夜から薬浴しましたが、ダメでした。

 

今回の原因は分かっています。高過ぎるKHです。今回私はKHの怖さを初めて知ったのですが、KHが高過ぎるとミドリイシは急速に白化し、魚の皮膚は粘液が損失します。亡くなったまるちゃんをよく観察しましたが、体の1/4程度の部分で体表のヌメヌメが取れていて、表面がややガサガサしており、また色も鮮やかさが失われていました。

 

ピカソクラウンの二匹が数日前からハタゴに入らなくなったのを、ハタゴと同じライブロックに活着していた二匹のカーリーのせいだと思っていたのですが、どうやらそれは完璧な誤りでした。カーリーはアイプタシアXで無事に退治しましたが、やはり入りませんでした。ちなみにアイプタシアXは、ハタゴのすぐ近くにいたカーリーに使用してもハタゴに影響を及ぼさなかったし、ミドリイシも何の変化も見られないので、極めて優秀な薬だと思います。

 

で、あれほどハタゴを愛してやまないクマノミ系の魚がハタゴに入らなくなった理由とは、体表の粘膜が剥離し、ハタゴの刺胞毒から身を守ることができなくなったからです。特にペア化してからは、ハタゴを死守しようと、他の魚たちに対して凶暴になるほど、彼らにはハタゴは大切な共生パートナーであったわけですが、そこにすら入らないというのは、極めて深刻です。

 

今回、マメカルシウムサンド除去時にほぼほぼリセットに近い量の換水をしたわけですが、それでも粘膜を改善できなかったというのは、それ以前が強烈に高KHであったということだと思います。実際リセット後はKHが9程度になったわけですが、KH9が問題のある数値ということでは全くなく、リセット前に受けた皮膚への影響の改善に時間がかかり、その間に菌に対する抵抗力を失った皮膚が、病気の侵入を許した、ということだと思います。

 

当初は、Ca、KHを補充するというマメカルシウムサンドとカルシウムリアクターの併用が原因だと思っていましたが、この考えは、必ずしも正しくないかも知れないことも分かってきました。

 

どんなに換水しようとKHが9程度以下に下がらないことから、その原因はライブロックにバッファー剤が染みこんでいるためであろう、と推測していたのですが、色々と調べているうちに別の原因に行き当たりました。

 

調べたのは人工海水の元々のパラメータです(ネット調査なので私自身が各種人工海水を測定したわけではありません)。ウチで使っているヴィーソルトはKHが高く、そもそも素で9程度あるらしいのです。KHが6~7程度まで下がったらカルシウムリアクターの稼働を再開しようと思っていたのですが、どうりで永遠と換水を繰り返してもKHが9を下回らないはずです。

 

つまり、原因は以下の要因の複合的な結果ではなかろうか?と思うわけです。

 

ヴィーソルト(そもそもKHが高め)

マメカルシウムサンド(KHを上げる効果あり)

カルシウムリアクター(KHを積極的に上げる)

KHを消費する生体が少ない(KHを下げられない)

 

さて、上記を見ると、なにかKHが水槽にとってとっても危険だと言っているかのように聞こえるかも知れませんが、全くそんなことはなくて、言いたいのは、以下のことなのです。

 

1.上記の個々の要因は、単体では危険性はない。

2.KHに関して、不幸な組み合わせが閉鎖環境で起こった。

3.水質への変化は、ゆっくりでなければならない。

4.変化がゆっくりであれば、魚の側でも抵抗力を高められた可能性があるか、または、人間が対策するのに十分な時間が取れた可能性がある。

 

ミドリイシの健全な維持のためにカルシウムを上げる必要から、色々なことをやったわけですが、私のような初心者が同じような事故を繰り返さないために、くれぐれもKHが高くなりすぎないよう注意してください。長年愛着を持って育ててきた主役級の子達がわずか数日で去って行くのを目の当たりにするのは、かなりしんどいものがあります。

 

今回、残念な更新になってしまいましたが、あの子達が教えてくれたことは生かしたいと思います。またそれが誰かの目にとまって、このようなトラブルを回避するきっかけになって欲しいと思います。

照度、微量元素、カーリー、などなど。。。

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サンプの下にホームセンターで買ってきた発泡ゴムのマットみたいなやつを敷いてみました。気休め程度ですが、きも~ち静音化に貢献したような。。。

 

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この写真はガラスに写った水槽を撮影しています。屋外の夜景とオーバーラップしています。こんな風に南からの太陽光が一定時間水槽の半分くらいに注ぐようになっているので、自然光スペクトルがミドリイシにおよぼす影響がとても気になります。

 

といっても、経験値の低い私には、どこからどこまでが自然光の影響だったのか、見分けることはできないでしょう。ただ、この水槽の子達は、自然界に晴天や雨天があるように、日々、変化する照度の中に身を置いています。それはたぶん、一般的なリーフキーパーが設定する環境とは異なると思います。良いか悪いかは分かりません。

 

管理された照明等で成育する野菜の生長が早いように、もしかしたらずっと均等な照度でぬくぬくと育てられた方が元気に育つのかも知れませんが、もし!常時均等でない明るさが何かしかのユニークな結果をもたらしたら面白いのにな~と勝手に想像しています。

 

たとえば、ですけど、日照が足りなかった日の翌日に日照が強くなると、エネルギーを十分に得られなかった反動で光合成パワーが爆発するとか。あるいは変化の中で生きているせいで、日照の変化に対する耐性が強くなったりだとか。ま、稚拙な想像かも知れませんが。。。

 

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この子は今私が期待している茶色っぽいミドリイシ。深い赤みが意外にもなかなか綺麗です。

 

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こちらは先端の2本ほどが白化してしまった個体。日に日に色が薄くなっていますが、過去にこのペースでパステル化した個体とは違って、共肉は割かしモリモリです。写真では分かりにくいですが。私、今までで白化を止めることができたのは、初めてかも知れません。いつもは剥がれ出したら止まりませんでした。

 

実は過去の失敗から、ただLEDで焼くだけではミドリイシは速攻で死んでしまう、と考えた私は、何らかの栄養を与えることにしました。今回は Amino Acid High Concentrate を添加しているのですが、共肉モリモリパワーについては、過去に使ったレッドシー系の添加剤よりも今回のZEOvit系の添加剤の方が効果がすごくて、この選択はナイスだったのでは?と思っています。

 

ただし、色が褪せているのか、パステル化しているのかが微妙です。いや、色の輝きは、どことなく徐々に失われて行っているように感じています。思い付いたのは、アミノ酸でもってとりあえず肉はモリモリしているので、生存はさせられそうですが、色に影響する微量元素が欠乏しているのでは?という推測です。

 

今、わが家のスキマーは水位、出力、排水の絞りの調整がとてもうまく行っていて、毎日良い具合に汚れが取れています。その一方で、異様に高くなったKHが未だに下がらないせいでカルシウムリアクターを回せないでいます。毎日4Lの換水は実施していますが、これでは微量元素の補充は微妙なところ。いや、足りてるのかも知れないですが、何かが起こっているとどこかに答えを求めちゃうんですよね。それが今回は、微量元素だと思い込んでいるわけです。

 

というわけで、同じくZEOvit系のTrace Element Complexを発注。カルシウムが絶対的に足りていなそうなのは我慢してもらって、とりあえずはこれを入れてみて、色具合に変化が見られるかどうかを見てみたいと思います。

 

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この貝が三浦海岸ではなちゃんの妹が採ってきた貝ですが、これがビックリするくらい良い仕事をします。この子が歩いたライブロックはその部分が真っ白です。渦巻きが横向きなので、シッタカの類とは違うみたいです。ちなみに右隣は同じく三浦海岸産のイソスジエビです。この子はモシャモシャした藻を食べるのでとても重宝するエビなのですが、今はその手の藻は生えなくなったので、残餌処理班として活躍してもらっています。透明で、何か食べると内臓に何か入っているのが外から見えます。でも!一匹が飛び出して死んでいたのを発見したとき、色は桜エビみたいなピンクになっていました。死ぬと透明じゃなくなるんですね。。。

 

そうそう。そういえば、某ペット〇〇〇で買ったハタゴと一緒にくっついて入海したライブロックにカーリー発見。そのせいか、ピカソクラウン達が大好きなハタゴに寄りつかなくなっています。アイプタシアXなるものを入手して、後日退治しようと思います。

 

KHが異常に高い現象について色々調べましたが、やはりKHを高く維持するバッファー剤がライブロックに浸透していて、換水をしてもKHが思ったほど下がらない、というのが、今一番考えられる原因です。KHが高過ぎるとカルシウムが沈殿する、ということらしいので、今の320~330程度の低いカルシウムレベルも、ここから来ているのだろうと思っています。換水頻度や量としては十分であろうと思いますが、それでも人工海水の基本のカルシウムレベルよりも低く出ているということは、何かしかがカルシウムの低下を助長してしまっているのでは?と考えるわけです。

 

バッファー剤ってどれくらいでライブロックから抜けてくれるんでしょう。。。少なくともここ一週間くらいはKHがずっと10程度を維持したままになっています。これがカルシウムリアクターを回し続けている結果なら問題はなさそうですが、カルシウムリアクターを空回し(炭酸供給を絶っている)でコレなので、やっぱフツーじゃない気がします。

 

とりあえずは、待つしかなさそうです。

高過ぎたKHをリセット矯正

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前回の記事を書いた翌日に水槽リセットを決行しました。仕事が怒濤の忙しさだったので今日更新です。スキマーは分解してみて良かったです。インペラーにゴミがたっぷり詰まっていて、掃除後はパワーが上がりました。

 

リセット前のことですが、途中で計測をやめてしまいましたが、確実に18は軽く超えていたであろうKHによって、ピカソクラウンの皮膚は荒れ、ミドリイシは急速にペロペロと剥離が始まっていました。

 

おそらくは、カルシウムを供給しKHを上げるというマメカルシウムサンドを敷ながら、カルシウムリアクターがジャンジャン回したせいでKHが過多になったのだろうと思います。2日ほどはリアクターの炭酸添加を1滴/秒以下にしたものの、急速な白化が鈍化することはなく、リセットに踏み切ったわけです。

 

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小型水槽に退避中の生体達。左下にあるミドリイシは根元からガンガンに白化が進行し、わずか4~5日ほどで完全に白化しました。

 

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さてリセットによってマメカルシウムサンドを撤去し、普通のサンゴ砂に入れ替えた後です。写真は残った3つのミドリイシの一つです。他の2つは根元から白化したのに対し、これだけが先端から行ってます。でも白化はおそらく止まったように見えます。少なくともペロペロと急速にめくれていく感じではなくなりました。また部分白化はあるものの共肉自体はどちらかと言えばそこそこ良い具合の肉付きに見えます。

 

それにしてもリセットは丸々一日かかる大仕事でした。もうしばらくはカンベンな感じですね。

 

現在のところ、KHは10程度、カルシウムは330程度です。以前ほどではありませんが、KHはやはり高めです。なぜだろう。。。リセット前の水を部分的に引き継いだせいかも知れません。カルシウムが低いので、本当はもうちょっとリアクターをちゃんと回したいのですが、KHを上げたくないので回すのがこわいです。しばらくは様子を見てみるしかなさそうです。

 

追記:

海外フォーラムで大量換水でもKHが落ちないケースの情報がありました。ライブロックがバッファー剤が浸透してしまっているからなんだとか。で、時間と共に下がっていくので心配ない、とのことでした。おそらくは、未だに10程度を維持するKHは同じ理由なのではないだろうか?と推測しています。マメカルシウムサンドなるものが、いったい何からできているのかは分かりません。砂、というより、何かの結晶物のように見える感じでした。正直、色は不自然なほど白くキラキラしていますが、雰囲気的には普通のサンゴ砂の方がナチュラルな感じで水槽には違和感なく馴染む気がします。好みの問題もありますが。ところでこのマメなんちゃらに何が含まれているのか分からないだけに、バッファー剤うんぬんも推測でしかないんですけどね。でもとにかく今は下がるのをおとなしく待つしかなさそうです。

まさかの。。。

ホントにショックですが、またシマヤッコを落としてしまいました。活きブラインに餌付いていたので、餓死回避は確実でしたが、まったく想定外のことが起こりました。

 

直接の引き金は、最近はなちゃんの妹と一緒に海で採ってきた2匹の自然のカニでした。

 

ライブロックを隠れ家にするシマヤッコが競合しそうな魚は、わが家ではヤエヤマギンポです。いわゆる底物系にとって、シマヤッコは自分の家を侵略する存在として、猛烈に攻撃する可能性があります。ですので、今回はヤエギンもピカソクラウン達と共にフェンスで隔離していたのですが、こともあろうに、カニにやられるとは思ってもみませんでした。

 

直接の引き金、と書いたのは、実はカニだけが要因ではないからです。このカニたちですが、入海後数日間、実に素晴らしい仕事をしました。ライブロックをゴリゴリ削りまくって、仕事をした後の岩はピカピカ。でもってミドリイシに悪さをすることもありませんでした。。。。しばらくの間は。。。。

 

しかしある日突然、ミドリイシをがっつりやっちゃっているところを発見。そこで急遽サンプに移すべく捕獲作戦を展開。餌をぶら下げて釣り上げる作戦に失敗したため、強引に手で捕獲にとりかかりました。

 

そのとき、逃げ惑うカニとシマヤッコが同じライブロックの下で接触、がっつりハサミでヒレを切り刻まれてしまいました。以降、一気に体力が低下、翌日には☆に。

 

しかし後で分かったことは、間接的な要因がもう一つあったのでは?ということです。

 

ごく最近、380程度しかなかったカルシウムを適正値に持っていくためにカルシウムリアクターを再稼働したわけですが、今日になってミドリイシの根元が白化し始めていることに気付きました。原因はおそらく高過ぎるKHです。あまりに試験水の色が変化しないので途中でやめましたが、おそらく軽く18以上くらいはありそうです。

 

現在、カルシウムリアクターの炭酸は一秒一滴程度、排水のPHは7程度にしたので、普通に考えると、KHがそれほど高くなるとは考えにくいです。思い当たるのは、カルシウムマメサンドです。このカルシウム添加が可能とされるマメサンドはKHを上げる効果があるらしいのです。何もしないでもKHが上がるのに、リアクターを回せば、さらにグイグイあがります。

 

おそらくはコレが原因でシマヤッコも弱ったのではなかろうか?と。。。ピカソクラウンの皮膚をよく観察すると、かなり荒れていて、いつもなら綺麗な白い部分が、やや色落ちしているです。さらにヤエヤマギンポも、さかんに体を底砂にこすりつける仕草を頻繁に見せるようになりました。ミドリイシだけでなく、生体全体に何か高い負荷がかかってしまっているようです。

 

ですから今回、カニ、カニの無理な捕獲、高KHと、いくつかの要因が重なってこのようなことになってしまったのではないかと。。。

 

明日は普通のサンゴ砂を買ってきてマメカルシウムサンドと入れ替える予定です。これまでこんなにもKHが急上昇したことがなかったので、ホントに意味不明でしたが、ミドリイシ白化の原因はこれしかないと思います。もしマメカルシウムサンドをカルシウムリアクターと併用しようと考えている方がいれば、ぜひ気をつけてください。というか、どちらかにしないとヤバいと思います。

 

マメカルシウムサンドとは、なんとお手軽なアイテムだ!と導入したわけですが、調整がしにくいという弱点がありました。特定の数値に入れるために、わざわざ砂を足したり取り除いたりって、ライブロックとかのレイアウトを考えると、非常に不便ですから、Ca、Mg、KH、PH等、個々のパラメータをある程度ちゃんと適正値を狙って行きたい人には不向きなアイテムなのかなと。。。

 

それにしても、、、シマヤッコはあまりに悲しく、、、工事現場やタイガースのユニホームを見ただけでも切なくなります。

 

ただ一つだけ自信を得たのは、既存の主はいったん隔離+シマヤッコ本水槽開放+活きブライン大量散布は、自分的には確立された成功パターンだと思います。これに底もの完全排除+水質安定が加われば、よほどヘンな個体でない限り失敗しないと思います。

 

明日は底砂入れ替えと大量換水です。がんばらねば。。。

人口餌の大量散布作戦は大失敗

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今日はシマヤッコの写真が撮れなかったので、家族でモフモフするピカソクラウン一家の写真を。あ。そうそう、この写真は暗めなので今一つ分かりにくいですが、最近茶色がかっていたハタゴが徐々に緑化しつつあります。こういう変化は地味にワクワクしますね。

 

さて、人口餌の大量散布を敢行した本日の結果を報告します。

 

ずばり、ダメダメでした。人口餌はどんなに粉状にすり潰してもブラインに比べると圧倒的に滞空時間が短く、がっついていないシマヤッコに対して、相当量の餌が空しく硝酸塩の元となるだけでした。やはり、ブラインを追い回すようになるまでは、人口餌は控えた方が無難かも知れません。

 

ブラインに関しては、毎日ホントに徐々にではありますが、食べる量が増加しつつあるので、もう数日間は辛抱することにします。

 

ところで、今回のバヌアツシマヤッコの餌食いに関して、ちょっと思うところがあります。今回は初めて行った都内の某ショップで購入したわけですが、私が「ライブロックはあまり突かないですね」とつぶやいたところ、店員さんいわく「うちはトリートメント的な水を使ってるので、岩はデスロックです。生き物はいません」らしいことを言うわけです。「そういうことですか~」と納得して買って来ちゃったわけですが、なるほど突かないわけです。わが家水槽に入海した後も。。。

 

しかし、よくよく考えてみると、ことシマヤッコの導入に関しては、薬浴環境に一週間も置くのはいかがなものだろうか?(ショップには一週間程度いたそうな)まずい水、まずいライブロックに一週間も慣らされれば、飼い主の水槽に導入した後も、しばらくは岩を突きに行くことをしなくなると思います。現に、この子は今もライブロックを積極的に突きには行きません。これってシマヤッコにとっては極めて異常なことだと思います。

 

つまり、某ショップにて、ライブロック=そこにご馳走はない、というプログラミングがなされてしまった可能性があるのです。ただでさえ人口餌に馴染めない輸入直後のシマヤッコからライブロックを突きたくなる意欲を奪っちゃダメな気がするんですよね。シマ経験者ならご存じかと思いますが、あの、目をキョロキョロ、口をピュッ、目をキョロキョロ、口をピュッ、ってやつです。アレがダメで、で、人口餌もダメ、ってシマちゃんは、もはやボーっとおとなしく痩せ細って行くのを待つしかないと思うんですよね。せめて食に関する執着心は持続させてあげないと、と思うわけです。

 

いや、でもライブロックを入れないで餌付けに成功した事例なんかも読んだことがあるので、あながち間違いではないのかも知れません。

 

でも!数日間ずっと薬浴っていうのは、あまりうまくない気がしませんか?人間だって数日間ずっとマズい空気の中で放置されてごらんなさい。心が病んでくる気がしないでしょうか?

 

さてさて、そうは言っても、なんとか活きブラインだけは日に日に食べる量が増しているので、私はこの戦いに勝つ気満々です。負のプログラミングをされたシマヤッコに、強引にでもポジティブなプログラミングをし直します。雪のように舞う大量のブラインの中を泳がせ、間違って食わせることによって!

 

って、、、すっごい押しつけがましい正義のような。。。

 

あ。まあ、深く突っ込まないようお願いいたします。

 

ま。そもそも、そういう個体を入手してきた飼い主側にも責任はあるわけです。だからがんばって餌付けします。

 

シマちゃんは隠れちゃってますが、ちょっと現況を。

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チャイロがかったこの子には、実は密かに期待しています。もしかしたら美人さんに生まれ変わるんじゃないかと。。。

 

さて。ではまた地道にコツコツ、ブラインを沸かし続けます。

ちょいちょい食べ始めました。

バヌアツ産シマヤッコ導入から一週間が過ぎました。毎朝毎晩活きブラインシュリンプを大量散布し続け、ようやく今夜、間違って口に入っちゃった感じでなく、徐々に自分からついばみに行く感じになりました。といっても、バクバク追いかける感じでなく、慎重に選びながら、たまにピュっと吸う感じです。

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前回のバリ産シマヤッコでは3日ほどでこの状態になったので、今回は倍以上の日数がかかっています。大きめのシマヤッコは餌付きにくいと聞きますが、そのせいでしょうか。

 

とりあえず、食べてさえいれば生命を脅かすことはないのでホッとしています。ですが、正面から見るとこんな感じです。

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縦長の菱形になってます。バヌアツでこの痩せ具合だと、相当にガリガリと言って良いでしょう。

 

ここまでが一週間ということは、人口餌までは、さらにもう一週間くらいかかるかも知れません。それでも、浮遊物=塵=完全無視、でなく、浮遊物=もしかして食えるかも=慎重についばんでみよう、という、シマヤッコの普段の生息域ではあまりないパターンのプログラミングに成功しただけでも、今のところは十分な成果と言えるでしょう。

 

私がシマの餌付けに活きブラインを使う理由は、自分でピョコピョコ動くブラインが、活き餌的に見えるんじゃないだろうか?という読みなのですが、どうもこのシマちゃんを見る限り、そこまでは観察していないように見受けられます。というわけで、明日の朝は満を持しての人口餌の大量散布に踏み切ります。水質?気にしませんよ。過去の経験から、毎日4Lの換水を実施していれば、水質はかなり維持できることが分かっています(わが家の水量は100L以下)。

 

さらに最近、スキマーのパワーアップを図りました。といっても、ハード的には何もいじっていません。実は、うちのプロティンスキマーは音を極力抑えたいがために、出力を下げ気味、水位上げ気味、排水閉じ気味で運用していました。しかしFish-street.comからAquqlink S1というWiFi経由でポンプ出力を変更したり、時間ごとのプログラミングができるデバイスを導入しました。これによって仕事や学校で家族が出払っている時間帯はフルパワーで動作させ、夜~朝は50%で運転することができるようになりました。

 

実際には、酸素供給を止めない程度の間欠運転になるわけですが、中途半端な出力で24時間回すより、うんと良い具合の汚れが取れるのです。ですから今は水位下げ気味、排水開き気味、パワー全開の時間帯(昼間)と、弱運転(夜間)との2モードで運用しています。もちろん、フルパワーで24時間が最強なのでしょうが、現在、活きブラインを大量散布していても、ガラスに苔が全く付かないところを見ると、この運用スタイルで十分なのだろうと思っています。やっぱりスキマーって、あの長い管の中を沢山の泡がゴーッと沸き上がって行くのが最も効率的な状態なのでしょうね。フルパワー状態は9時間維持していますが、ちゃんと粘度の高い泡が排出されるのを見るのは気持ち良いものです。

 

ちなみに、このAqualink S1ですが、コネクタ形状等によりT1というのもあるようなので、購入される際は間違わないよう気をつけてください。

 

わが家ではこれを3台持っていて、左右の造波ポンプも昼間と夜間でパワーを変えています。Fish-street.comの絵を見る限り、1台で複数コントロールできるように思えるのですが、ポンプ1台にデバイスが1台必要です。

 

さて、次のステージはいよいよ人口餌です。そしてその次にはコロコロ太らせ、さらに凶暴化しているピカソ達に立ち向かえるくらいにまで持って行けるか。。。ハードルは高くなるばかりです。ミドリイシについても、生かす、揚げる、の2つのハードルが待っています。あまりキワドいことばかりするのもいかがなものかと思いつつ、正直なところ、キワドいことにチャレンジするときに喜びを感じるのがアクアリストの性なのではないでしょうか。。。

 

明日の朝は一つの節目です。躊躇なく豪快にバラマキますよ。

カルシウムリアクターの調整

土曜日ははなちゃんの妹の希望により、油壷マリンパークへ行ってきました。予約を入れて、イルカに触ってきました。硬質のゴムのようなノペっとした手触りでした。目の前で見ると、イルカってデッカいんですよね~。

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油壷はこじんまりとしたレトロな水族館で、どことなく癒されます。下は屋外のふれあいコーナー。

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クラフトも充実していて、はなちゃんの妹も大満足。

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おまけに近くの岩場で水槽のお掃除やさん採集。今回は超ミニミニサイズのやどかりさんを複数採取。貝が入れない小さな隙間の掃除に一役買ってくれそうです。

 

実は何の気なしに採ってきたごくごくフツーの見た目の貝が、自宅水槽に入れてみたら超絶強力な掃除屋さんで、ライブロックの通過後がくっきり白くなっているのにビビリました。今までショップで買ったどの貝をも凌駕するパワフルさです。

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さて、ひさびさにミドリイシを入れたはなちゃんの水槽ですが、カルシウムを測ってみたら320程度しかありません。ここ一週間は怒濤のごとく換水しまくっていたにもかかわらず、この数値の低さには衝撃を受けました。換水でカルシウムを上げるのって限界があるのかも知れません。。。そこで速攻カルシウムリアクターを再稼働しましたが、何しろこの手の器具については素人のまま中断していたために、調製方法がよく分かりません。

 

国内外の記事を読みあさると、日本ではKHを調整する方法が大半で、海外ではPHを調整する方法が一般的なように見受けられました。PHの方が試薬の使い方が簡単であったために、私はPHを6.5に合せるよう調整しました。

 

私のヤフオクカルシウムリアクターは、排水弁の微調整が効かず、微妙なポタポタにすると、翌日止まってしまっていたりします。ですので、排水はダーっと行き、炭酸量を増やして調整しました。炭酸ブクブクは4回/秒とかなり多めですが、PHは6.5に合いました。かつて炭酸ボンベを買ってみて分かったのは、初回のボンベさえ手に入れてしまえば、炭酸そのものはとても安いということです。なので、けちけちせず、排水が止まるリスクを回避して炭酸を多めに供給することにします。

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結果、今のところ水槽のカルシウムはリアクター投入後24時間を経過しないところで390くらいまで回復しています。

 

以前、カルシウムリアクターの微調整ってものすごく難しかった記憶があるのですが、今回はすごーく簡単にできちゃいました。海外の記事を読むと、日本の記事に比べてざっくりしたものが多くて、「PHはカルシウムが最も溶けやすい6.5前後にする」、っていうこと以外は、そんなに複雑なことは書かれていませんでした。加えて、排水多め、炭酸多めで調整すると、すごいラクチンだということが分かりました。

 

以前は排水がポタポタってところに注力しすぎて、すっごいシビアなうえに、カルシウム濃度を上げるのにとても苦労していた気がします。炭酸さえケチらなければ、こんなにも速攻で上がるものだったんですね。。。しかもPHって計るの簡単だし。。。

 

とりあえずミドリイシが死ににくい環境に近づけることができて、ちょっぴり安心です。ミドリイシをやる以上は、萌える色彩で水槽に花を咲かせたいものですが、その前に、まずは安全運転しなくちゃね♪

 

この後は、実はちょっと試してみたいことがあります。私はZEOのリアクターは持っていませんが、ZEOvitの添加剤だけで褐虫藻を抜いてやろうと画策しているのです。今回のリアクター導入は、その布石です。褐虫藻を抜くわけですから、コンディションの悪い水槽だとミドリイシは確実に死ぬと踏んでいるわけです。

 

私は以前、光で褐虫藻を抜こうと試み、失敗しました。今回は光源は弱く、添加剤で調整する、という方法を試してみたいと思います。

 

追記1:KHが測定限度の14を振り切っちゃってたので、CO2は2.5回/秒に変更しました。

追記2:KHがまだ振り切っているのと、Caが425に達していたので、バブルカウンターは2回/秒に変更。マグネシウムが1120しかなかったので、MgメディアをCaリアクターに追加。

追記3:シマヤッコは活ブラインの雪のような大量散布によって、数日前から「間違って口に入っちゃう作戦」は成功。しかし!普通はここまで来ると、目覚めたように食べ始めるのですが、この子はまだ自分から突きに行くことをほとんどしません。人がいても岩からはよく出てきてスイスイ泳ぐので警戒心は強くありません。どちらかと言えば、ちょっと鈍い方かも知れません。ちなみに人口餌をすり潰した粉の散布も、やはり「間違って口に入っちゃう作戦」は成功していますが、こちらも突きに来るまでは行っていません。今回、持久戦になるかも知れません。