高水温では病原菌のビブリオが大繁殖!
どれくらいの方が、このブログに目を通してくださっているのか分かりませんが、時おり、見てますよ、というコメントをいただけると、とっても嬉しくなります。
その反面、とっても間違ったことを書いてしまっていることもあり、本当に申し訳ないです。
先日、自然界のサンゴ礁の水温について書きましたが、非常に大きく間違っていた可能性が高いです。読んでくださった方々、ごめんなさい!そして間違った水温設定をしちゃわなかったことを祈りたいです。
うちのちっさなミドリイシフラグ、実は、水温を24.5から27に上げてから、実はとっても調子が悪いのです。
これまで何度もミドリイシに失敗してきましたが、私の知る限りで、ミドリイシの不調の兆候を、書き出してみます。
- 色が薄くなる(パステルになるのではなく、色が抜ける感じ)
- 輝きがなくなる
- 共肉が薄くなる
- ヒダヒダ部分がペラペラに薄くなる
- ヒダヒダ部分の先端が黒ずむ(色が濃くなるのではなく、干からびた感じ)
- それまでふっくらしていたミドリイシの先端が、梅干しみたいにショボショボになる
- 急にポリプが出なくなる
- 先端が不自然に白くなる(生長点ではない感じで)
- 付け根の活着部分が白化してくる
上記のうち、2~3の症状が並行して起こっていたら、もうその時点で救出できない可能性が高い、と私は思っています。
また、ミドリイシの観察には、写真撮影がとっても有効だと感じています。毎日眺めているだけでは気付かない変化も、数日前、数日後を写真で比べると、あれ?こんなに色が変わってる!とか気付ける場合があります。
で、今回のうちのフラグでは、1個が色が薄くなり、複数個がポリプを引っ込めています。若干ですが、ヒダヒダ部分が薄くなっているのでは?と怪しまれる個体も。。。結構な緊急事態だと思います。
ということで、以下の対策を講じました。
1.照明を若干落とす。
(不健康な個体は、共肉が弱っていて、強光に耐えられないかも、と)
2.水温を下げ始める
(もし高水温が原因だったら致命傷になる)
3.アミノ酸ドーピングを開始
(共肉を太らせることができるので、即効性の防御になる)
で、水温について調べてみると、ありました!ビンゴの記事が!
こちらの論文です。
その中から、いくつか重要な記述を抜粋します。
「ハナヤサイサンゴで実験したところ、水温31度で、病原菌であるビブリオ菌全般が2-3桁増加し、ビブリオの中のVibrio coralliilyticus(複数あるビブリオの中の一種)は、4桁増加した」
「これまでに、海水温の上昇に伴う熱ストレスは、サンゴの健康を害し、病原菌の数および毒性を強めることが分かっている(過去の論文からの抜粋)」
「熱ストレスは、サンゴを病原菌に感染しやすくする(過去の論文からの抜粋)」
「Vibrio coralliilyticusによる組織の損失は、27-29度で、最も急速に上昇した(過去の論文からの抜粋)」
「ハナヤサイサンゴは、グレートバリアリーフで採取し、サンゴ礁での自然温度の22度を維持するグループと、毎日1.5度刻みで7日間上昇させるグループとに分けた」
すみません、詳細まで読み込むのは断念しました。ですが、上記から見えてくるのは、水温27度って、明らかに病原菌の増殖が加速する温度だということ、そして、この実験で使ったハナヤサイサンゴを採取したときの、サンゴ礁の温度は22度であったことです。
この実験では、水温を維持したグループと、毎日7日間上昇させたグループの、最終日におけるバクテリアの状態を比較したもので、複数の温度グループに分けたりはしていません。なので、いったい何度から危険な領域になるのかなどは、一切明らかになっていません。
ただ、この論文が引用している他の論文から、27度がかなり病原菌の量と毒性が増加するレベル、ということは、はっきり言えそうです。
そして、数日前のこのブログで取り上げた記事にあった、世界中の珊瑚礁の平均温度は27度。そして、今回取り上げた論文にあったグレートバリアリーフの水温(年間で相当差はあるでしょうけど)は、22度。この差はいったい。。。。前回の記事にあった水温は、海面の温度だったのだろうか。。。。
というわけで、方針を転換し、水温を24.5度に戻します。24.5の根拠はないのですが、24.5でも、論文にあった採取場所の水温より高いこと、そして、今思えば、24.5度だったときの苔の発生具合は、とても少なかったことから、えいやで決めます。もっと低い温度でも問題はないかも知れません。
それと、定期的にアミノ酸を添加して様子を見たいと思っています。明らかに共肉がふっくらするので、見ていて安心だからです。
今日のフラグの様子です。
最初は、弱っている子達を強光から守るために底に置きました。後で考えを変え、全体の照明を少し弱めて、高いところに置きなおしました。その方が、まんべんなく光が当たる気がしたので。
どす黒かったウスエダ。ポリプは後退しましたが、色具合は青?群青色?っぽく、自分好みに。。。自分の中では、ウスエダが一番ミドリイシの健康具合を観察しやすいです。共肉の痩せ具合や太り具合が分かりやすいように感じています。アミノ酸の添加による共肉の復活も早いです。
ポリプはがっつり後退しましたが、色は好みです。
先端が白いのは生長点かな?と思います。この子をヤフオクで販売されていた方の腕が素晴らしいのだと思います。うちのタンクに来てからの生長点ではありません。ポリプは、がっつりなくなっちゃいました。もともと共肉が薄いタイプのようなので、共肉の太り具合から健康度合いを見極めることができません。ポリプが思いっきり引っ込んでいるので、何らかのストレスがかかってはいるのでしょう。
ストレス耐性が強いのでしょうか、、、やはりポリプの出は悪くなったものの、それほど変わり映えはしないように見えます。
一番ヤバそうです。色が薄すぎ。先端からちょっぴりポリプが出ているので、白化はしていませんが、色が乗ってくるまでは、結構危険な状態なのかも、、、
というわけで、高水温はかなり危ないことが、論文からも、自分の体験からも、理解できました。皆さまも、どうかお気を付けください。
ところで、今回とりあげた論文が、ハナヤサイサンゴを対象としているのですが、ハナヤサイって、どうしてハナヤサイって言うんだろう?と気になりました。だって、花野菜ってダサくないですか?
しかし調べてみると、花野菜って、カリフラワーのことなんですね!確かにカリフラワーっぽい形してますよね。納得!納得!