ヘビガイ

ライブロックのトゲトゲ、ヘビガイが爆殖し始めました。

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下の画像の岩から、斜め左に向けてピロピロと伸びる糸のようなものが見えますでしょうか?コレ、ヘビガイから出ているのです。

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ヘビガイは、ライブロックを持った時に手が痛い、ということ以外に、サンゴへの害があることが知られています。いくつかの文献によれば、ヘビガイは、プランクトンを捕食する際に、突起の先端から粘液のネットのようなものを出し、そこに付着したプランクトンやデトリタスを取り込むのだそうです。そのネットがサンゴのポリプに付着すると、ポリプが引っ込み、共肉の損失になることもあるのだとか。

 

水槽内のヘビガイを確認する限り、ネットというより、糸に近いですよね。

 

実際には、ヘビガイによってサンゴが死んだとかいう報告は、あまり見られません。それよりも、ライブロックの見た目がひどい、という報告が大半のようです。でも、もし水槽を観察してみて、ヘビガイから伸びる糸がサンゴに接触している場合は、注意した方が良いかも知れません。

 

というわけで、タンク内の半分近いライブロックを取り出して、クエン酸漬けにしました。

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クエン酸漬けの目的は、2つ。1つは、ヘビガイの退治。もう一つは、石灰藻の退治です。

 

石灰藻は、いかにもリーフタンクっぽくて、赤くてキレイですが、うちのタンクでは、ライブロックの9割を覆い尽くし、微細な凹凸や穴を埋めてしまっています。せっかくの多孔質な岩が、ノペっと平らになっちゃって、バクテリアの定着を妨げているように思えるのです。それと、ミドリイシよりも石灰藻の方がアルカリを消費しているのではなかろうか?という疑念が。。。うちのタンクでは石灰藻の増殖速度が異様に速く、のっぺり石灰藻が付着した上に、さらに石灰藻が上塗りするように繁殖するほどです。しかし、石灰藻とアルカリの関連は証明のしようがないので、何はともあれ、クエン酸でヘビガイと石灰藻を落とすことにしました。

 

 

下の写真は、クエン酸処理後の岩ですが、やらかしました。石灰藻があまりに頑固だったので、何度もぬるま湯を替えながら、ほぼ完全に石灰藻を除去したまでは良かったのですが、すすぎが甘かったのか、水がだいぶ白く濁り、その状態が3日ほども続いてしまいました。

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すすぎは、クエン酸成分と水道水のカルキを洗い流す目的で、新しい海水に浸けて、パワーヘッドを回し、数時間行いました。

 

クエン酸で石灰藻を落としたライブロックを投入してから、dKHが急激に上昇しました。投入直後は、ほとんど変化がなかったものの、2日後に測定すると、それまで7前後だったdKHが、いきなり12dKHに。カルシウムとマグネシウムには大した変化はなく、アルカリだけが急上昇しました。

 

その日以来、アルカリの添加を停止したものの、dKHの低下は非常にスローで、アルカリ無添加のタンクで、5日間で2.5dKHしか落ちませんでした(12dKH→9.5dKH)。我が家の小さなフラグたちは、1日に0.5dKHしか消費していなかったんですね。。。現在、アルカリは微量添加を再開し、9dKH付近で推移しています。

 

この白濁事件後、もともと色の薄かったフラグが、根元から白化し始めました。

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原因は、こちらの記事で行った高水温実験によって、ビブリオ菌が繁殖したせいだと思います。高水温がサンゴに与える弊害については、こちらの記事に書いた通りです。ミドリイシへの水質の影響は、良い影響も悪い影響も、おおよそ2週間くらい遅れて出始めることが多いので、このタイムラグは自然なことだと思います。

 

高水温による不調から、さらに3日間の白濁が拍車をかけたことも大きかったでしょう。

 

最近、栄養塩が急激に低下し、硝酸塩が1ppm、リン酸塩がハンナのチェッカーで0ppmになりました。この影響もあったのかも知れません。自然の海では、硝酸塩もリン酸塩も、ホビー試薬では0レベルらしいですし、実際に、両方ともゼロで長期飼育されている方もいらっしゃるので、これが原因の一つとは言えないと思うのですが、別の原因で弱ってしまった子には、影響してしまったのかも知れません。

 

最近、タンクのスキミング効率が劇的に改善したことは、以前記事にした通りですが、その後も、スキマーの泡の粘度はかつてないほど高いまま維持しています。ディスプレイタンクのパワーヘッドの方向も調整し、極力、水面の粘膜を打ち破って押し流し、滞留する箇所が出なくなるように工夫しました。水面を下から見上げると、特にタンクの角付近に汚れの滞留が見えるので、その滞留が極力なくなるように調整すると良いと思います。

 

栄養塩の急激な低下は、たぶん、これが原因だと思うのですが、定かではありません。これ以上の低下は、高水温と白濁で傷んだミドリイシにはよろしくないと思い、ウォッカによるカーボンドーシングは停止しました。今後は、硝酸塩を5~10ppmくらいの範囲でおさめたいと思います。

 

白化(今回はSTNです)の見られるフラグですが、全くあきらめるつもりはありません!うちのタンクでは、飼い主である私の度重なる落ち度によって、ミドリイシはことごとく失敗していますが、そんな中でも、何度かSTNを止めた経験があります。今回も同じ方法を用いました。

 

海水1Lにヨウ素液を10滴たらし、エアレーションをして、STNの発症したミドリイシを15分間浸けます。自分の経験では、STNを発症せしめた原因(高水温だとか悪い水質だとか)を根本から絶つことができていれば、この方法でSTNは止められます。根本的な水質の問題が改善されていない状況でのヨウ素ディップには意味がないので、根本原因の除去がキーポイントです。

 

ヘビガイに話題を戻しますが、現在、こんな感じで、右側にヘビガイを除去した岩(デスロック)を配置しました。

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さらに、海外フォーラムでヘビガイ駆除に効果があると言われる、イエローコリス(コガネキュウセン/イエローラス)を投入。

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この状況で、数か月間観察し、右側のデスロックにヘビガイが繁殖しないか、左側のライブロックに付着したヘビガイからピロピロの糸が出なくなるか、を確認します。もし抑制ができているのであれば、イエローコリスに効果が認められたことになります。

 

さらに、一緒にショップに連れて行った、はなちゃんの妹からの「群れる子が欲しい」というリクエストで、デバスズメを入れました。

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5匹投入しましたが、初日で2匹が消え、1匹が不調のため、底砂を彷徨う状況に。。。デバスズメはいつの間にか消える、という話は、本当だったのか。。。

 

ところが、デバちゃんたちを投入して2週間後、何気にサンプを眺めると、デバが1匹泳いでいるではありませんか!急いで救出し、メインタンクに戻します。

 

ところが、その翌日、また同じ子が消えました!サンプを確認すると、やはり落ちてます。

 

やむなく、フロー管のスリットに網戸張替用のネットを巻きつけました。

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垂直の壁を登るマガキガイ。。。。

 

このネットのおかげで、それ以降のサンプ転落はなくなりました。

 

かわいいのは、このサンプに毎回落ちちゃうおチビちゃん、救出してメインタンクに戻すたびに、うんちをしちゃうんです。2回救出して、2回とも、メインタンクに戻した直後にうんちをピロ~んとたらしてました。救出とは言え、捕まえられるのが、うんち漏らしちゃうほど怖かったのかも知れません。

 

こちらは、たまに出没するイソクズガニ。うちでは、モジャ子と呼んでいます。元気そうで何よりです。

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うちのタンク、短期間に水質を変化させすぎてますよね。今後は安定を目指します。